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【EVシフト】日産ARIYA

技術 生活

トヨタ自動車がこのご時世でも2020年4−6月期は黒字確保とのことですが、コロナで、そしてニーズの変化や企業の事情などなどで大手自動車メーカーは苦境に立たされています。

ニューノーマルでもクルマのニーズが耐えることは無いと思いますが、その中でもEVの動きは気になるところです。素人目から見たEVの眺めを綴っておきたいと思います。

北京での二輪EVの印象

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いきなりですが今から9年前の2011年、北京に立ち寄ったときに印象的だったのは、街中の自転車が電動になっていたことです。
日本での電動アシスト自転車の位置づけに見えるんですが、どうやらペダルを漕がずに通行している車両が異様に多かったので、バイクの代替になってたんだと思います。いまはどうなんでしょうか。
北京は平坦で生活圏も広大とのことで、自転車通勤のモーター化が進んだということでしょう。エンジンの排ガスによる大気汚染も問題になっていて、規制が厳しくなったという背景も有ったとのことです。
evbike日本ではその頃全くこがずに動く低速電動バイクとかのニーズも製品も聞いたことなかったのですが、時代の先を行っていたんじゃないかと思います。
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ともすれば重く効率が低い方式の鉛バッテリーを積んだモデルも多く、当時は効率の悪い電池で中途半端な製品開発してもダメだなと思いました。でも理屈よりも実践が先行する印象の国では、結果として良いものはこれを踏み台にして次世代の製品や技術につながっていくんだろうなと、今になって思ったりしてます。市場からの検証が高速で進むんだと思います。

EVは日産のお家芸

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トヨタも世界中の他の自動車メーカーも、EVはもちろん研究していて、製品として発売しているモデルも多くなってきました。

日産自動車は皆さん御存知の通り、社内政治的問題や売上不振などでかなりの苦境に立たされていますが、一般ユーザーから見れば技術力には期待したいところで、EV分野にはかなり力を入れており、2019年の世界市場でのEV売上ランキングでは3位にランクインしています。

日産はEVのSUVとしてアリアを発表し、今後はさらに大型のSUVも発表が噂されています。航続距離が500kmを超えるようなら普及の可能性も有るでしょう。特設サイト:リンク

運転のしやすさや、排ガスが出ないなど、ユーザーや社会にとっては良いことがたくさんある反面、実際に遠出でもしようとすると充電設備を探し求める旅になってしまうということも私は体験しました。なのでEVの航続距離が長くなることが、まずは必須でしょう。

また利用者にとってはことごとく充電インフラの整備がネックになるので、どうしても触手が伸びない人のほうが現在は大多数ということになり、結果として日本でのEVは2020年現在1%にも満たない状態です。

欧州では将来化石燃料を動力とする自動車の販売や使用を、禁止する方向での法整備が進んでいます。ハイブリット車もダメという勢いで、脱化石燃料をマジで考えなければ生活も成り立たなくなる、ということですかね。

ハイブリッド車で感じるEV

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前に乗っていたホンダのハイブリッド車は、主にエンジンで走る仕様の仕組みだったので、エンジンで走るクルマの運転フィーリングにほとんど等しいものでした。そして3年ほど前にやはりホンダですが主にモーター、つまりEV方式で走るクルマに乗り換えたところ、前に日産リーフに乗った時に感じたモーター感に非常に近くなりました。まぁそういう仕組みなんだから当然ですが、コントロールしやすく加速性能が良く静か。

動力機構的にはEVなんだけど、動力源はガソリンというものです。EV方式で駆動するクルマなのに、EVの充電ステーションに行っても充電できないので、ガソリンを燃やすエンジンでしか充電できないわけです。日産e-POWERも同じく、これではEVとは呼べません。

このように社会インフラが従来のままでは多様な用途に対応しきれないため、いざという時のためにやはり可搬性に富み、十分に普及しているガソリンを動力源とする方式になってしまってるわけですが、このハイブリッド車の仕組みの選択は、将来のEV化を相当意識しているんじゃないかと思います。

今ではテスラのEVのように、強力な加速やエンタメ性などの高いユーザー体験を求める富裕層向けモデルが話題にのぼることが多いですが、どうやら全世界での普及のためには、インフラだけでなくEVに搭載される電池の供給がネックになっているようです。

中国のCATL社は、実は世界トップシェアの中国新興企業でこのEV電池供給問題の解決に一役買っているとのことで、各社のEVモデルに搭載されているとのことです。

PHEV(プラグインハイブリッド)という、ハイブリッドからEV寄りに一歩進んだ、ハイブリッドなんだけど大きめの電池にEVステーションで充電可能なモデルがありますが、これすら禁止されるようになる未来に向け、日本でも移動のための潮流をどんどん作って欲しいなと思っています。

北京の電動自転車を見てから9年、EV化の波はもっと短期間で来るんじゃないかと想像しているところです。