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身近なビッグデータ・モバイル空間統計

ネットワーク 技術 生活

3密を避けるように言われても、では何時にどこに行くことを避けたらいいのかを判断するを時に、主に経験と勘に頼らざるを得ないというのが実情でした。

そこで便利なのは、携帯電話キャリアが提供している混雑情報です。これを見て、そもそも混んでいる場所か、時系列での動きはどうかなどのデータをかなりの精度で見ることができます。

 

ビッグデータの自動集計

googlemap
人の動きは、時間と共に刻々と変化していきますが、素性のわかっているNTTドコモの携帯電話のデータからリアルタイムに位置情報を得て、ほぼリアルタイムで地域の混雑度がわかるサイトを、コロナ禍につき一部無料開放してくれているサイトです。
https://mobakumap.jp/

携帯電話ネットワークの仕組みを使用して作成される新たな動的人口統計とでも言ったら良いでしょうか。日本全国の人口とその動きを24時間365日把握することができます。

全国をくまなく細かくわけ、区画ごとに時系列の実態、前年との比較、年代層と性別による構成比、さらに所持者の国籍などのデータが公開されていて、一般人にもわかりやすい。

都市部の興味のある場所をひと通り見た後にベッドタウンとかに目を向けると、時間帯のカーブが昼夜で逆になっていたり、年代層まで逆転していたりしてとても興味深いです。住む地域を決めるのにも一役買いそうです。

 

データは役立てるためのもの

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そもそもこの携帯電話を使ったサービスは、システムが存在しなかったその昔には全く実現できなかったわけですが、今ではくまなく全国民の行動データが取れるまでに普及しました。

位置情報の取得方法で思いつくのがGPSデータですが、実はスマホはこのGPS機能を持っているとは言え、よりデータ取得のしやすい基地局データをモバイル空間統計のシステムでは使っているそうです。https://mobaku.jp/about/

膨大なユーザを抱える大手キャリアだからこそできる基地局データの活用は、非常に価値が有りますね。

プライバシーの保護が問題視されていたりしますが、管理状況を細かく公開した上で、あまねく社会のために有用なデータを使えるようにしてもらうのがいいと思います。

防災・商業・観光・イベント関連など、この手のデータが欲しい企業や自治体のは多いと思います。

また他のサービスで、Yahoo! JAPANが公開している「混雑レーダー」は、Yahoo!地図のトップ画面からリンクできます。
こちらは、モバイル空間統計よりもより詳細なイメージで混雑度合いがわかるように作られています。

https://map.yahoo.co.jp/

使うシーンによりますが、スマホのアプリY!MAPでこのサービスを使うと、簡単に混雑状況を知ることができます。
2020年1月に一旦終了したサービスですが、コロナの影響で4月に復活提供してくれているサービスです。

 

国の統計と民間企業

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人口の統計というと大正時代から続く国勢調査という、国レベルの調査が思い浮かびますが、これは5年に一回の調査で、基本は紙を用いた調査です。用紙を作成・配布し、記入し回収し集計し活用しと、超絶アナログで膨大なコストがかかる調査ですね。

これを含む、国勢の基本に関する調査にかかる費用は、年間にして4000億円程度もかかるらしいです。国民一人当たり年間3000円もかかってるんですね。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000396134.pdf

調査のための雇用や、郵便などの市場もそれなりに生んでいるようですが、IT前提のビッグデータの時代ですから、方式はまず人海戦術からすぐにオンライン方式で効率化してほしいと思うところです。

 

データ収集と活用は民間へ

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改めて考えてみると、国でやらなければこの大規模調査は成せなかった時代と違い、今は携帯電話ネットワークという非常にタイムリーで精度の高いセンサーを扱う企業に、多くを委託したらいいのではないかと思います。これまた公開ポリシーが肝になるでしょうけど。

いずれにせよ住民基本台帳は各自治体でがっちり整備しているのですから、それに加えての大規模調査を行ったとしても、産業や生活に利用しにくかったりタイムリーと言えないのであれば、必要性は少ないんじゃないでしょうか。

コロナの対応で電話片手に紙と鉛筆でメモを取っている様子などが報じられ、いざという時の工数不足と問題とされました。普段から手続きや業務のデジタル化を進めてなかった分、全部非常時の現場にしわ寄せが来ている例と説いている人が多いのもうなずけます。

スーパーシティ法も通ったことですし、大規模アナログ調査を止めて浮いたお金を使い、議論にぜひデジタル世代をメンバーを混ぜてもらって、電話とFAX文化がまだ残っている公的機関の体制刷新効率化を進めてほしいところだと思います。