緊急小口資金申請が80倍!
生活福祉資金貸付制度が各都道府県の社会福祉協議会によって執り行われています。
と、ここまで書いた時点で漢字が多くて、なれない人にはちょっとここで思考停止になりそうです。
が、要は生活資金不足で生活に困った人が受けられる融資制度があるということです。
コロナ時は対象が拡大
この貸付制度は、通常時であれば所得の低い世帯などに対して、生活費など必要な資金を貸し付けることを目的として設定されています。
しかしコロナで経済が低迷している中で特別に対象をひろげ、緊急小口資金等の特例貸付を実施しています。参考リンク:https://www.mhlw.go.jp/content/000626608.pdf
これによると、緊急小口資金は最大20万無利子・保証人不要で2年以内に、失業者向けの総合支援資金は10年以内に返済すれば良いとのことで、かなり思い切った政策です。
そして昨日の報道では、緊急小口資金の申請総額が1000億円を超え、リーマン・ショックの影響を大きく受けた2009年度の、なんと約80倍!というかなり深刻な状況です。
リーマンショックの時は、経済が先に落ち込んで、あとから対策するときに「人の行動制限は特に無く」復興プロセスにはいっていきました。
今回のコロナでは先に行動制限ありきとなったことで、あとから来る経済へのボディーブローがめちゃくちゃ大きいと予想されていますが、その証拠の一つが明らかになっています。
憲法に明記されている生活の保証
日本の憲法25条には、国民の健康で文化的な最低限度の生活を営む権利と、国側の義務として社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないと言うことの両方が、規定されてます。
この最低限度というところがざっくりとしていますので、実際の生活にまでどういう形でおりてくるのかで議論は永久に続くのだと思いますが、今回のこの緊急小口資金融資とは別に、常日頃耳にする生活保護制度が、国民生活最後のセーフティーネットとして重要な位置にあります。
コロナの前にも折を見て報道されていましたが、生活保護の申請が、担当窓口である福祉事務所から拒否されるケースがあとを絶たないようです。
生活保護についてもコロナで申請者が増加しているのは想像に難くないですが、審査基準を厳しくしているためです。
そのこともあり、実は2017年の約164万世帯から受給世帯数は減少しているんですね。
窓口で追い返された人は、本当にがっくりだと思います。また受給者の過半数は65歳以上の高齢者で、残りが傷病・障害者、母子家庭と続き、ここまでで受給者全体の約85%を占めます。
今後日本で高齢化がさらに進むことは確実で、いよいよ制度のあり方と、人々の生き方の大変革が必要になってくるんじゃないでしょうか。
ほんとに困窮している人に保護が行き届いているのか、最低限度の生活とは何か、疑問が尽きることはなさそうです。