電話番という職種
会社のオフィスに当然のように設置されている固定電話。
営業時間中に電話が鳴ったときには、いち早く受話器をとって応答することは、新入社員が最初に習う社会人としての常識として会話にのぼることが多いと思います。電話番が早くできるように練習するように、と先輩社員はハッパをかける。
ん?ここまで書いただけで、実は私は相当違和感を感じてしまうんです。
ちょっとデジタル草の根運動みたいなことを、今日はつぶやいてみようと思います。
事務所という時の止まった場
オフィスにもいろいろ有ると思います。私が所属しているところは普通の事務所では、数十人の社員が部署ごとに並べられたデスクで仕事してるという感じの、ごく普通のオフィスです。
物流や生産加工現場ではないので、大型の設備などが有るわけでもなく、来客応対や販売などのカウンターが有るわけでもなく、顧客企業向けの物販やサービスなどの業務を行っています。
そんな中で違和感を感じる単語は、固定電話・電話番・営業時間です。今は全部存在していますね。
これらを前提とした仕事の仕方は効率的でないと思うんですが、まだ社会の多くの人がこれを認識できていないんじゃないかと感じます。
固定電話の電話番
客先や関係部署から会社の部門に電話がかかってきます。用事の内容は様々ですが、最近では質問やスケジュール調整の電話が多いと思います。
登記簿に乗っている会社の住所に電話が通じないというのは法律上まずいのかもしれませんが、それ以外のほとんどはPCやスマホでのやり取りで済むものです。
固定されている電話。鳴ったら取らなければならないという事が、暗黙のうちにルール化してしまっている機械ですから、その場所にいる人は応答して当たり前、ということがそもそも業務効率を下げています。固定された営業時間もですね。フレックス制も導入してるのに。
で、電話を掛けた人はいいんですが、受けた人の時間を奪っているわけです。
その時間にその場所に居ないことも多いわけで、それを軽減するために電話番という人間を設置して連絡漏れの無いようにする、みたいな発想ですよね。
さらに、だれだれさん居ますか?と訊かれて席を外してますとなると、じゃ、折り返しますとかメールしておきますので読んでおいてくださいとお伝え下さいとか、も〜何やってんだか、伝言ゲームですよね。伝言メモも無駄そのものだし。
こんなことなんで、オフィスに行くことも、そこで仕事することも、なんか無駄に思えてしまうんです。
昔は仕方なかった
電話は戦前から長く生活でもビジネスでも使われてきましたが、会社の規模が大きくなるにつれ、代表電話で受けて交換手が各部署の内線につなぐということが行われていました。電話システムの限界だったんですね。
それが、内線交換機が入り、さらにダイヤルイン機能により、外線からダイレクトに担当者までつながるようになった、というところまでは業務効率が上がりまくってきたと納得できます。
スマホとインターネットの時代になったのに、活用が止まってしまってるんですね。
モードを一気に変えましょ
ほぼすべての社員に配られたPCとスマホで、一気に電話依存から卒業することを提案したいです。
会社の業務効率を上げることは、ゆくゆく顧客や社員の満足度向上につながるからです。
- 電話番と電話依存の風習を全廃する。今は非常識かも。そしてすぐに常識になる。
- まずは固定電話は緊急用で会社に一本だけにし、他はすべて携帯かPCでコミュニケーションをとることを「会社として宣言」する。
- その時代に一番便利なツールを使って、社内外のコミュニケーションをとる。次世代コミュニケーション(未来版の電話番?)教育は必要。
- 社員全員が、文字、音声、映像、データを必要に応じて使い分けられるよう、電話を超越する情報環境には積極投資する。
- 営業時間とオフィスの場所で拘束する必要が無いように、社内外のルールを変える。
- 電話で人の時間を奪う前に、ググる、タグる。よく訊かれることは検索できるように準備しておく。お問い合わせ対応のほとんどはAIに取って代わる。
考え方を変えるだけで、大きな投資をしなくても業務効率アップが実現できる分野だと思います。
これでいいじゃん、と社会全体にひろがれば、競争力アップにいくぶん貢献もするでしょう。新たな発想も生まれやすくなる(かな?)。
さて、どこまで進みますかねぇ。各社トップダウンでやってほしいんですが。