【DXに乗れるか】日本の生鮮品EC
なにやら普段の生活にもアルファベットの略称が増えてきました。DXとかECとか、、。
そもそも日本語、というか日本になかった単語や考え方が英語で表現されてるケースが多いからですが、もっと注目すべき分野も多いですね。
最も身近な食料品
よほどのことでないかぎり、人は日に何回か食事をするのでどうにかして自分の目の前に食料を調達しなければなりませんね。
ポンと外食に出るということも簡単だし、コンビニ・スーパーで出来合いの食事や材料があふれんばかりに売られています。
加工品については通信販売という手法がありますが、生鮮品については注文から手元に来るまでの時間が勝負となりますから、電子商取引(EC)事業としては相当に高度なシステムが組まれていないと、成り立ちません。
注文から自宅までの配達を30分以内で受け付けるというシステムが、中国のフーマー(盒馬鮮生)によって実現できていることが紹介されてました。
高度デジタル化と人海戦術のあわせ技
今となってはデジタル化凄まじいと報じられている中国では、なにせ一旦やるとなったらトップダウンで大規模に事業展開する企業が激烈なサービス展開合戦を行っていますね。
生鮮品を商流として扱うことは、調達から流通まで時間との勝負といえる部分が大きいので、ECと組み合わせるのには相当な工夫が必要なんだと思います。実際中国では、生鮮ECに進出したものの経営破綻した企業も出たようで、身近な市場でもビジネス展開は一筋縄にはいかないということです。
フーマーはアリババグループ、そしてテンセントやジンドンのグループなどからありとあらゆる業態で事業展開されている図がインプレスのサイトに出ていました。
最近の中国のこの手の記事を読めば読むほど、やっぱり中国には人が無尽蔵に居るおかげで、デジタルでシステムをデザインをして、それを実際の事業に展開するという、人海戦術とのあわせ技が有って可能にしているんだろうなと思います。
会員登録されているスマホで客は欲しい商品を注文し、3km以内なら30分以内、早ければ20分くらいで到着するというんですから、団らんで鍋を囲んでる最中に肉や野菜が足りなくなっても、話をしている間に届けてくれるという超高速さです。
これは完全にOMO(オンラインとオフラインの融合)が実際に定着している例なんですね。
日本もこうなりますかね
日本の場合は客側がまだまだデジタルガジェットの取り扱いが不得意なこともあり、高齢者は店に買い物をしにでかける人がまだ大多数です。オンラインでデジタルワールドに入るための入口でつまずいてる感じです。
ネットスーパーのサービスが数社から提供されていますが、基本的には既存のスーパー、つまり客が来店する店舗ありきで作られているサービスなので、30分などの短時間での対応ができるはずは有りません。
中国の場合、需要予測や在庫調整などはリアルタイムにAIで処理し、梱包などは専門職が迅速に人的対応をするという、オンラインがあくまでも主体の店舗になっています。そこに実際に来店する人がいれば、普通に購入対応できるようにしているという具合ですね。
結果として、購入食品の鮮度が上がるとか、廃棄食材が減るとかであれば、歓迎すべき新業態だと思います。
なにもそこまですること無いんじゃないの?というのが実際の感想なんですが、日本でも配達や時間での差別化が重要視されてくる可能性はあります。
特に高齢化対応では、買い物難民も増えるでしょうから、今のネットスーパーや定期宅配システムの上を行くようなシステムが、競合を凌駕していくようになるかもしれません。