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【みどりの窓口が減る】DXへの一歩

乗り物 生活 鉄道

日本ではこれから人口減が予想され、多くの公共的サービスの縮小やコスト削減が行われています。

先日聞いたみどりの窓口の縮小のニュースは、交通系だけに身近な気がします。

JR西日本の発表

midori
JR西日本からは、みどりの窓口を7割も削減するという発表がありました。

みどりの窓口と言えば、基本的には券売機で買えないきっぷを有人販売する機能を提供するところということです。

旅行や出張など、普段の利用と違う場合に利用するケースが多いと思いますが、最近では各種デジタルサービスが導入され、スマホで検索から購入・乗車までがシームレスでできるようにもなりました。

でもまだまだすべてのサービスがデジタルで提供されているとは言い難く、人的な確認や判断に基づいて決済・発券を行う必要があるケースも多いようです。

運行状況を見て直近の列車予約を判断したり、発券の条件が複雑な内容の場合など、プロの係の方に対応してもらうのが一番です。
とは言え、対面サービスを提供する側の苦労は大変なものかと思います。

システム化の歴史は長い

trainstation

みどりの窓口には、予約発券システムの端末が用意されていて、乗客のリクエストを聞きながら対応をする社員によって操作されています。
このシステムはマルスシステムと呼ばれ、日本が世界に誇る巨大な全日本システムで、乗客対応するために訓練された社員によって運営されています。いつ行っても鮮やかな対応に感心するばかりです。

なんとこのシステムはまだ国鉄時代の1960年(昭和35年)に運用が始められていますので、相当に早いタイミングでのシステム化を成し遂げたということになります。

人力、かつ紙ベースで、大量で複雑な列車座席予約情報をさばいていくことがすでに当時無理だったんじゃないでしょうか。システム化に投資するのに十分な理由だったんじゃないかと想像します。

一旦システム化すると、列車予約以外の営業情報を載せることができるので、旅行業者にも端末が置かれるようになり、広い対応が可能になりました。

ただ、窓口にリアルに訪問してくる乗客に対して有人で対応するという形式ではあったため、サービス拡大と共にシステムに加えて人件費も含む運営コストが大きいでしょう。

さらに昨今の利用者減による収入減少や、非接触アプリケーションの要望にDX化が必要となったため、経営的に難しい局面であることは確かです。

JR西日本はすでに昨年2019年初旬にはみどりの窓口縮小の方針は発表していました。同様の経営対策は各社に波及していくことでしょう。

本当のDXを実現してほしい

trainstation近年では一般乗客がスマホ等を介して、このシステムにアクセスしているおかげで、オンライン予約が可能になってるワケです。

これを進化させていけば、すべての乗客は、なにもきっぷの購入や予約を取るためにみどりの窓口に行かなくても済むようになると思います。全員スマホで鉄道利用してもらう、と。

でもここで考えておかなければならないのは、デジタルネットワークの入り口に立てない人が一定数必ず発生するということでしょう。
DXのXはトランスフォーメーションということですが、今までの常識や宿命をガラッと変えるくらいにまで進めることを期待したいところです。

まずは第1段階で、駅の券売機の向こうにオンラインでリアルタイム接続されている生身の人間が対応する、アシストマルスというシステムが開発されています。

この券売機ではJR職員が実際にその場所に居るわけではないものの、実際に人間が会話しながら対応してもらえるので、高齢者・障害者・外国人や証明書が必要なほとんどのケースに対応ができる模様です。

そして将来的には、たとえば高度な個人認証による改札レス、購入・予約作業がほとんど不要の交通機関利用、全公共交通システムの自動課金やサブスク制などを、ぜひJR各社が日本のMaaSの主役としてリードしていってほしいと思います。

各個人の要望を高度に入出力する技術、個人口座で高度に決済する技術の両方を開発し、つなげれば実現すると思うんですけどねぇ。どうでしょう。