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【新米の季節】稲刈り→ご飯のストーリー

中部北陸 日本 生活

先日、いつもお願いしている新米をゲットしてきました。

いつも玄米30kg単位で購入するのですが、今回初めて稲刈りからの工程を全部見せてもらいました。農家の方には全く参考にならないと思いますが、この機会にご紹介します。

稲刈り当日

米を栽培している農家にとって、収穫=稲刈りの日は格別の区切りの時です。食べるだけの我々にとっては稲刈りの日程はあまり関係ありませんが、実はベストな状態で刈り取るタイミングは5日間くらいしか無いんだそうです。

早すぎても育ちきっていない、遅すぎると割れ米が出て等級が下がってしまうなど、稲の成長によるタイミングが大事。それにさらに雨などによる濡れ状態で刈り取ると、乾燥のための燃費がかさむなどの影響も出ます。

このあたりの様子を全体的にみながら、エイヤと日程を決めるんだそうです。今年はバッチリ大当たりのタイミングだったようです。

稲刈りはコンバインで

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たわわに実った稲。結果としてはベストなタイミングだったそうです。

このコンバインでは、刈り取り→脱穀をすると同時に、稲穂を細かく切り刻んで田んぼに撒くという工程をいっぺんにやってのける優れものです。
ine
刈り取り開始します。
ine

どんどん刈り進んでいきます。
オーナーいわく、適当に曲がりながら田植えしたので、刈り取るときに舵取りに気を抜けなかったそうです。
私の目にはこれでも超まっすぐに見えるんですけどね。
ine

刈り取ったあとの田んぼ表面。切り株と切り刻まれた稲穂。これはゴミになるわけではなく、田んぼの土と混ぜられてまた土として一体化する、循環式なわけです。
ine

排出→トラックへ

ある程度刈り取ると、コンバイン内の籾貯蔵タンクが一杯にならないうちに、軽トラに置いてある収穫袋にエアで排出します。
combine

ブームを伸ばして調整します。combine

もみの山は壮観です。momi

乾燥工程へ

刈り取られて籾の状態になったら、これを乾燥機に充填します。

dryer
結構な量があるので、途中で傾けながら充填していきますが、手回しでリフトアップする機構がついていました。

籾を撹拌しながら石油バーナーで温度を上げた空気で乾燥させていき、自動制御により、設定した乾燥度になったら停止します。dryer
乾燥機の中では籾が循環して、均等に乾燥するようになっています。

1日目の作業はここまでです。

2日目は玄米に

翌朝、もみの乾燥度合いをチェックして、籾摺り→充填→出荷の工程です。

まずは、乾燥機と籾摺り機、その後に充填機と積込みのためのリフトをセットしておきます。
ricesystem

充填機の下にははかりが装備されていて、30kg玄米が入ったら自動停止するようにセットしておきます。

袋の中の金具は、きれいな形で袋に充填できるようにくふうされた折りたたみ式の型です。充填が済んだらスルっと抜けます。
rice

私は以前、籾摺り(もみすり)を脱穀と間違えてましたが、もみの状態から玄米の状態にする工程がもみすりです。

 

外皮である籾殻を引っ剥がす工程が籾摺りです。 左が籾摺り前のもみ。右が籾摺り後の玄米。

 

横に細長い奥の機械が籾摺りマシンです。そこで籾殻を剥がされ玄米になったら、左側の計量充填機に送られます。
ricesystem
剥がされた籾殻はというと、エアで外に捨てられてました。
momi
計量→充填が終わったら、きっちりと袋を閉じて、出荷です。
ricesystem truck
今年はこの地域、天候不順のため収量が若干去年より落ちているそうです。
ということで、できたて玄米は次の工程に。

食卓へ

玄米→白米の工程が精米です。とれたてできたての玄米を、家庭用精米機で食べる分ずつ、その都度精米します。
semi
(炊飯工程は省略しまーす)
そしてやっと食卓に、今年の新米がのぼりました!
rice お味はご想像におまかせしますが、照りつや・香り・味など、本当に新米はウマいですね!

素晴らしいお米をつくってくれたすべての関係者の方に感謝の瞬間です。

それにしても、お米ができるまでには、本当にたくさんの工程が必要なんだということが再認識できました。よく大昔の人は、すべて手作業なのに、ここまでして主食にしようとしたもんだなと感心します。

来春には田んぼ作りから田植えを見学したくなりました。
こちらに田植えの様子を書きました!

撮影地:長野県佐久穂町 品種:コシヒカリ