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田植えから真夏まで【ケンさんの米作り】

中部北陸 日本 生活

暑い日々が続いてますね。どんどん暑さがこたえるようになってくるのは、気候変動のせいなのかはたまた歳のせいなのかと謎ですが。

長野県佐久穂町で続いている米作りレポートが届いていますので、佐久穂のコシヒカリ圃場の様子をお届けします。

田んぼの整備は去年から

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これは5月6日の状態です。
田植えの準備「しろかき(代掻き)」が完了しています。
1回目は主に昨年の藁の埋め込みと適度な土の撹拌を行います。なるべく水を少なくして藁が浮いてこないようにします。

この後の2回目では、なるべく平滑になるようにして完了後、除草剤を散布します。
除草剤の散布後1週間は、田植えは出来ません。

お米を育てたことがない我々にはなかなかなじみのない「しろかき」ですが、肥料(元肥(もとごえ))や藁・雑草を埋め込んだり、有害なガス抜き効果も有り、米の栄養源となる有機物の腐熟を促進する効果も期待できます。

 

田植えは5月20日でした。

その様子(クリックでYouTubeへリンク)↓
ケンさんの米作り

5/20 田植え直後

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5/22 田植えから2日目

結構水没してしまっていて、ちょっと心配。→でも大丈夫!
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5/26 田植えから6日目

まだ一部の苗は水没してます。
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5/30 田植えから10日目

幾分生育が目に見えますが、まだ頼りなさそうな印象ですね。
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疎植栽培

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↑ 6/3 田植えから14日目

上記の動画でもすこし解説していますが、こちらケンさんの米作りは今年で3シーズン目の疎植栽培(そしょくさいばい)です。

疎植栽培とは、稲の苗を植える間隔を通常より広く取る方式のことで、今回使用した田植え機のギヤ比から27cmとしています。
日本で標準とされてきた株間18cmに対して、準備する苗の量は33%程度少なくてすみますが、日当たりなどが良くなる分、収穫量は変化しないと言われています。

このへんは農業の宿命、やってみなければ結果はわからないのですが、味や米の等級にも影響するらしく、逆に楽しみですね。

6/5 田植えから16日目

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6/9 田植えから20日目

このあたりから、やっと苗に元気がでてきたように見えてきます。
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6/12 田植えから23日目

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6/15 田植えから26日目

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6/20 田植えから31日

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このあたりから、分蘖(ぶんげつ)が確認できます。
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分げつとは、根元付近から新芽が出て株分かれをする事を言います。1本の苗からは1→3→5→7→9本….と、次々に増えていくので、最初に3本植えた場合は3→9→15→21→27本と増える計算になります。
これが増えすぎると実がつきにくくなるため、良いところで止める必要あります。

 

6/27 田植えから38日目

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一旦干からびさせる!?

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↑6/29 田植えから40日目
この2日前から、一旦田んぼの水を抜いています。
これは中干しと言う水管理のひとつで、田んぼに張っている水を一旦抜く工程です。
乾ききるまで数日かかります。

中干しをすると分げつが止まり、さらに倒れにくい稲になります。刈りやすい稲になるわけですね。
また今まで水に浸かっていた根の部分に酸素が入っていき、生育に悪影響を与える硫化水素などの発生を抑えます。このことから、米の味が良くなる効果も期待できます。

 

6/29 田植えから40日目

隣の田んぼは2日遅れで田植えしたそうですが、従来の18cm間隔での田植えとのことです。
ケンさんの圃場では、稲穂の色が濃いことがわかりますね。
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7/3 田植えから44日目

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だいぶ乾きました。
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7/11 田植えから52日目

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7/15 田植えから56日目

タイミングを見て、再び水を入れました。
水を入れるタイミングは人により、また地質によって変わりますが、こちらの田んぼは足が沈まない程度に乾いた時点で中干し終了とします。

根に酸素の供給をすることが主な目的で、刈り取り時にはぬかるみを押さえるのに有効なようです。
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7/17 田植えから58日目

水もきっちり入りました。
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7/21 田植えから62日目

すこぶる順調に育ってきています。
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お米収穫の様子はこちらです。