PALOji*Walker ONCE-IN-A-LIFETIME

接客業でも脱対面方式

働き方 社会 経済

営業と呼ばれる職種は将来無くなるという感じのセミナーを、10年前くらいに受けたことがあります。

当時は、日本ではなかなかそう言うわけには行かないだろうと思ったし、実際の商談や顧客サポートを進めていく上で、営業担当が存在しないということは有り得ないという認識でずっと続いてきました。

 

人と人とのインターフェイスとしての営業活動

conversation

営業という言葉の意味は広いですね。私の周囲では企業で事業を進めていく上で、売上の責任を数値的にも持つ部門が営業部門である、と定義できそうです。

その目的を達成するためには、広義で人を動かさなければならないわけですから、電話はもちろん、実際に面会して対面での会話を行うことにより、ニーズマッチングや購買行動への働きかけを当たり前のようにやってきました。

メールやfaxが普及した最近でも(これらも消えていきそうですが)、売上につながる取引を続けてもらうためには、製品やサービスの内容に加え、人間性や営業スタイルが重んじられています。

が、しかし、コロナでいきなりその対面での会話が、形としてまずは全否定されたわけです。

 

実は新しい営業スタイルが求められていた

conversation

事業を支える営業活動にかかる費用は抑えるに越したことはないので、できれば人同士のインターフェイスはリモートでやりたかったハズですが、商習慣的にそれを許さない業界も多いことでしょう。

こんなの言う必要があるのかなと思うフレーズも多々あります。例えば、「取り急ぎメールで失礼します」「本来ならばお会いして説明させていただくところ、お電話にてご容赦ください」など、物理的に同一場所で会って会話して初めて商談と認めるみたいな風習はあります。

まずは対面で会うことを、商習慣よりはるかに大きいこの世の常識として否定することを急に植え付けられたことで、リモートでの商談スタイルが当然になってきました。
考えてみれば、用事が済めばいい内容のサポートは、わざわざ会わなくてもよかったわけです。

 

営業スタイルは、二極化していくのでは?

connect 受注する側と発注する側という構図だけみても、売上をいただく、発注してやるという構図で考える人は今後も無くならないと思います。そういうスタイルは、その活動自体が働く人々の人生のためにもなり楽しくもありというような昭和の義理人情系営業として続いていくことでしょう。

一方、ここ数ヶ月私が携わっている仕事では、営業する側にもされる側にもなっていましたが、社内の調整を含めほぼ100%非対面でコトは進んでいて、むしろ効率は上がり、結果は改善しました。

道具の上ではPCとスマホと通信が前提になりますが、それらを空気の様に使える人が急激に増えたので、もうオンライン会議が基本になってきた人も増えました。わざわざ、そのミーティングはリアルでやりますか?と訊かれる場合もありです。

結局どんな道具使っても、どんなスタイルでアプローチしても、こちらも相手も心を持った人です。その基本を間違わなければ、デジタルでオンラインスタイルの営業でも、ミッションは遂行可能だと思います。

私がちょっと危惧するのは、これからビッグデータやAIが経済活動や生活を支えていくようになると、昭和式スタイルで結果が残せる市場は淘汰されてしまうのではないかということです。いい味してる社会なんですけど、資本経済の理論で消されてしまう部分かもしれません。

個人消費はあっという間にネットショッピングで十分となって、まだまだ進むでしょうから。B2Cの世界などでは、AIの方がはるかに効率的に営業をかけられるということです。日本はまだ都会部への電車でのアクセスがいいので、他国よりは残るかも知れませんが。

個人のショッピングなど、付加価値が高いプロセスを楽しむ行動はオフラインで対面方式。事業推進という意味での営業活動はデータドリブンのオンラインという2極化も進むのかと思います。

営業の形を変えることにより、潜在的な労働力掘り起こしも進むと思いますし、低いと揶揄されている日本の労働生産性を押し上げて、暮らしが楽で豊かになることを期待しています。