【インターンシップ】進んでますか?
最近になって、いろんな場面でデジタル化とか人材不足とかが話題になることが多くなりました。
企業も個人も、社会や市場の変化に対応していかねばならないと解っていても、なかなか実感も湧きません。
で、皆さんの会社ではインターン制度ってのは進んでますか?
決定的なギャップで人が離れる
私の周囲でも、新卒で企業に入社して3年以内に辞めたという人の話を結構な割合で聞くようになりました。少々詳しく聞いてみると、辞めた理由で一番多いのは思ってたんと違うということらしい。
人それぞれ思ってることや、やりたいことが有るわけですが、昔の日本の就職事情と決定的に違うことは、情報の量と質が異常なまでに急激に増え、簡単に手に入るようになったことでしょうか。
以前は、
- せっかく入った会社なんだから最初の3年くらいは仕組みになれることから始めるべき。
- 仕事も社会勉強だと思って習うより慣れろ。
- 周囲とのコミュニケーションを重んじて、社会性を身に着けろ。
というようなフレーズをよく聞いて日本のサラリーマンは育ったもんですが、マジでこれらをつぶやく諸先輩方はまだまだ会社の中に存在するんです。右肩上がりの経済や企業のシステムの時代ならこれでも良かったんですけど、人は急に変われないワケで。ましてや今日日ブラック企業の情報は、秒でネットを駆け巡るようにもなりました。
入社した社員は、同年代やいろんなコミュニティのチャネルから得てきた知識や考え方と、会社に入って遭遇する身近な上司・先輩たちが染まった色との間に致命的なギャップができてしまっているケースが多いと聞こえます。3年5年くらいは社員の育成期間と考える企業側と、その時間すら若年層は永遠に感じてしまうような、感覚の差もできてきているかと思います。
そうなると、会社からしてみれば、予期せず急に辞められてしまうというようなことになるわけです。それも、最近の若いモンはで済ませてしまうケースすらあります。
で、そもそも新卒で定時入社という制度が全国的に有って、それになんとなく従う人が多い事に違和感はみんな持たないもんなんでしょうかね?
インターンというチャンスとメリット
インターン制度というのは欧米では古くから一般的に導入されたシステムですが、日本でも優秀な学生を獲得する目的で、1990年台に政府などの後押しも加わり一部の企業で導入が進んだようです。
日本では学生が、在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこととされています。
学生にとっては、在学中のまとまった休暇の期間をかけて、じっくりと会社見学と知識の吸収ができることが期待でき、企業側にとっては、まぁ言ってみれば長期にわたる面接をじっくりとできるようなもので、お互い関係性ができればそのまま志望から入社の道を開くことができます。
このようにある程度期間をかけることにより、入社後のボタンの掛け違いを防ぐことが期待できることから、インターンシップを積極的に進める企業が増えているとのデータもあります。
ただ一部には、インターン生に対しての制度的・金銭的処遇が十分でないケースが問題視されていることもあり、結果現場仕事でタダ働きで終わったなどということにならないよう、企業の選定についても注意は必要ですね。
さらに、高校や大学で習ったことを一生の職にしたいと言う人も、不確実性が大きく変化が計り知れない時代では少なくなってきてるのではないかとも思えています。社会にでてからの経験や出会いのほうがはるかに多いというのが実情ですから。
インターンは雇用のシステムに一石を投じる?
日本の経済状態や文化・技術のレベルなどに対応して人材を確保するとなると、日本型終身雇用のシステムは変化せざるを得ない状況になってきていると感じます。少子高齢化も手伝い、ますます最重要経営資源である人材の確保が難しくなってくるからです。
グローバルにも国内でも伸びてる分野の代表格であるデジタル分野の企業は、人材の能力開発も事業展開も熾烈な時間との勝負になります。このテンポ感についていける人材を活かせる企業体でないと、どんな業種の企業であっても存在継続が難しくなった時代だと言えます。
これはもちろん感受性が高い若年層がこれからの生き方を作っていくとともに、それが実現できるような業界や職種・企業しか人が採れなくなるということにもなるんじゃないでしょうか。
そのためにもインターンシップ制度は官民挙げて積極的に進めて、納得して入社する社員も受け入れる企業も充実していくことが、結果日本が盛り上がっていく道なんだと思うんですがねぇ。
これがうまくいけばこれからの時代、企業が生き残るためのジョブ型雇用へのシフト、つまりその対極にある終身雇用=メンバーシップ型雇用から上手く脱却できるのではないかと思っていますが、どうでしょうか。