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スーツ、着ませんよね

働き方 生活

外出を控える要請や風潮が定着してきたこの頃ですが、やっぱりと思ったニュースを目にしました。

紳士服4社の連結業績が非常に悪く、青山商事に至っては創業以来初の赤字になったとのことです。

 

ビジネススーツは必要か

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今は昔、新入社員として入社した後にまず相当疑問に思ったのは、スーツを着なければならないことでした。多くの会社がそうだと思いますが、就業規則の中には「ビジネスにふさわしい服装で業務に当たらなければならない」と書かれています。

私の場合、工場勤務で作業服が支給されるんだろうと思っていたため、就活のためのスーツ1着のみを、相当安いグレードのものを適当に買った覚えが有ります。それでも学生の身分では5桁円の出費は辛かったことも覚えています。

そして研修期間数ヶ月が過ぎ配属されたのは、スーツ着用の事務所だったのです。
この時は相当落胆しました。というのも、スーツとネクタイという格好をして通勤や営業活動をしなくてはならないのは、ともかく暑い!からです。

さらに、スーツでなくてはならないと規則に明記されているわけではないことも納得が行かなかったのですが、「社会人としての常識」「必要なしきたり」あたりの言葉ですべてが片付けられたような記憶があります。

スーツをめぐり、ぶつかった

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若気の至りで、直属の先輩たちには相当文句を言いました。

ただでさえ初任給が安いのに仕事着として着ることが決められているスーツを買わねばならないのか?工場の作業着と同じように会社から支給されるべきじゃないのか、と。

答えは相当シンプルでした。「それがわかることが、社会人としての最初のステップだから」

この時は唖然としましたが、時は流れ、今となってはビジネスカジュアルとか、スマートカジュアルとかの用語ができるくらい、画一的な色とスタイルのビジネススーツは廃れたのではないかと思っています。

服装は文化ということを実感

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海外の事業所に4年ほど通ってたことがあります。
入社した日本の会社と海外会社との合弁だったので、いわば他国の他社文化ということで、まるで日本のスタイルも常識も通用しないところでした。

それまでは週5日、通勤電車でスーツにネクタイの勤務を続けていたわけですが、この場所ではクルマ通勤で服装は自由でした。というか、まるで規定は無かったのです。なので、いわゆるジーンズでもチノパンでも、ポロシャツでもなんでも良かったのです。

事実上この4年間で一度もスーツもネクタイも着ませんでしたが、社員全員そうだったので、そもそも服装について疑問も何も無い、話題にも特にのぼらない世界だったわけです。

服装よりも、会話の中身とか生活の質とかにフォーカスする事のほうが大切だと思われてる文化でした。
その服装のおかげかはわかりませんが、日本のものづくりよりはるかに高生産性・高収益の実績を叩き出した事業の一員として参加させてもらったと実感します。

この時の経験からは、夏季は熱帯同然の日本でスーツの風習はいずれ限界が来るだろうなと思うようになりました。暑さ窮屈さで思考停止になる方がよっぽど社会の損失です。

ビジネスでスーツはかっこ悪い

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もともとスーツはイギリスで始まり、江戸末期に日本に入ってきたとのことですが、周囲が和服の中でスーツ姿は見てわかりやすいステータスで、限られた人だけが着ていました。

ドラマなどでよく見ますが、スリーピースにカンカン帽とステッキみたいなのが当たり前だった時代も有ります。
しかしいつからか、軍隊式?の没個性が良しとされた文化のせいでしょうか、ネズミ色か紺のビジネススーツにネクタイという変な統一感満載の、日本のビジネス界となりました。

そして、私が昔先輩に言われたこの社会人の常識というのも、時を経てさすがに最近変わりました。

今勤務している事業所でも数年前にそもそもネクタイは夏季は不要となり、今は1年を通して常識的な服装とだけ言われ、「スーツも着たければご自由にどうぞ」となりました。

こうすると自分で考えた服装で仕事するわけですが、心理的に非常に快適ですね。着る服無くなって仕方なくスーツ着たりしても、自分のせいなのでストレス無しです。

紳士服メーカーには申し訳ないですが、リモートや在宅ワークでそもそも需要が減少するのは当然として、今は仕事でスーツを着ること自体とか、スーツでなくてはならない会社で働くとかいう事は、カッコ悪いモードになったと思います。

話をする客先や自分の勤める会社がもしスーツ着用を強要してくるようなら、そこから静かに退避することを私はおすすめします。

新卒の定期入社とか就活解禁とかという単語もそのうち無くなるでしょうから、企業の人事部も進んでスーツ着用来社禁止とかアナウンスすれば良いですね。そのうち言う必要すらなくなるとも思えます。服装にお金と気を遣う分、自分の知性と経験に基づく発言ができるように課題を出せば良いでしょう。

ただ、特殊な業界でしばりを受けている人は、今後も仕事でスーツスタイルですかね。シバる文化の人が上や周囲に居るということですから。

そして、式典やイベントなどの場所や場面では、今後も人生に色を添えて楽しむための、特別な存在として生き残っていくことでしょう。
ビジネスシーンで「デキる人」を演じられるような安価な服を開発してくれれば買ってみたいですね。中身は?変わらないけど。。。