営業が要らなくなる?【日本企業のDX化】
日本ほどの経済規模になると、日本だけ、東京だけの営業活動で企業人生を送っている人も多いと思います。
本日、社内でディスカッションに参加したのですが、ちょっと認識ギャップを感じてしまいました。
日本が先進国になってから久しい
高度経済成長を支える企業人になるために、皆きちんと勉強して良い点が取れるように勉学に励みなさい。。。。
とは、何度と無く言われて過ごしてきた記憶があります。
敷かれたレールを外れること無く、同じ色のスーツを着て新入社員として企業に入社することが良しとされてきました。こういう多くのサラリーマンにとって、これから長く定年まで過ごしていく会社に、きちんと貢献できるように諸先輩方の教えをよく聞いて、一生懸命に働けば昇進といい暮らしが待ってます。
とまぁ、こんなことを言われて信じていた人は多かったんじゃないでしょうか。
日本が戦後に復興するには、あまりにも多くの出来事が有ったと習いました。その中で多くの役目を負っていたのは、大手のメーカーによる国内市場向けものづくりと、それを支える社会構造だったと思います。
いままでデジタル化だと、よその事のように言っていたと思ったら、外出自粛の波で背中を押されてDXの大きな波がやって来て、実は第4次産業革命は始まっていたんだと日本でも常識として認識するに至ったのですね。
日本で一昔前から続いてたと思った常識が、全く通じなくなっていると良いんじゃないでしょうか。なにせ革命なので。
ものづくり日本の企業文化
興味深い資料が経産省から2018年に発行されていて、眺めてました。
あまりに多くの情報が盛り込まれていて、ついつい引き込まれてしまいました。日本を支えてきた産業の大きい部分が製造業で占められていることもわかります。
ものづくり企業文化を大切にすることが、世界に通用する工業製品を作ることに成功し、そのために蓄えた技術も世界一のレベルに有るものがまだまだ日本にはたくさん存在しています。
ただ残念なことに、これからの産業革命を支える技術で世界最先端を走ってはいないようで、特に情報技術分野は米中に富も技術も集中している様相です。
勝手な表現をすれば、日本人としては工業で培った目で見てわかりやすい技術や、ものづくり現場での精神論が重要視され、日本国内で島国なりの独特文化を作り上げてしまったからなのではないかと思います。
結果ですべてを比較されてしまうモノ作りにおいて、島のなかで熾烈な戦いを続けてきたおかげで得た世界的品質も、実は世界をみわたすと時代遅れなんだという場合が多くなってきたわけです。
全世界で貿易がぐんぐん伸び続けているようですね。世界の中での日本の振る舞い方というのは、これから発展していくアジアの状況からしては、かなり特殊に見えます。
今日何をギャップと感じたか
上記資料19ページの「日本における職業分類別従事者数の変化」のページを見ると、営業、事務、生産、現場の職種は減少してきています。
モノを作ってもそれを販売したり、取引の処理をしたり、自動化されたり合理化されたり、いろいろで減ってきていると考えられます。
今日話していたギャップというのは特に営業の部分なんですが、もうこれからは営業はいらなくなるんじゃないかという話題になりました。
もうこの話題を広げれば本当にきりがないのですが、なにかハナシが噛み合わないなと思って疑問に思っていました。これはどうやら、日本国内の取引をずっと経験してきた社員達の、経験とかいわゆる常識とかが、これからDXの波に乗るためのブレーキになってしまっているのではないかということです。
メーカーにもいろいろありますが、ほとんどがB2Bの製品を扱っているメーカーを長年続けてきた文化では、お得意様、調達先(サプライヤ)との関係性を中心に、技術も生産もサポートも、すべて身近な日本の企業の振る舞いに合わせる形で独特の商習慣が作り上げられてきました。
前に日本企業のDXについて少し書いたりしましたが、こういう関係性の中では、実は世の経営学などで言われているマーケティング理論や、それに基づいた経営体制は、営業活動に生かされる部分が殆どないのが実情です。
人間関係や好き嫌いだけで取引が成立したとか切られたとかいう話題が飛び交い、誰が決めたか利益より売上が欲しいと言われる場合や、ここは損してもその後のお付き合いを大事にしたほうが良いとか、完璧になってから製品はリリースせよとか。
それでも国内は仕事が回っていて、雇用も生活も守られてきたということで、日本はいい国なんだと思います。ただ、このパターンにままでDX革命のもとで存続できる会社は多くないと思います。
DXによるデジタルマーケティングはますます重要になって、経済や企業の商流をつかさどるコアになり、AIがそれを代行していくようなことにもなる。まずはこれを認識するところに立たされているんだということに、皆で気がついた次第です。
さて、どう次のステップを踏むべきなのか。ゼロから1を創り出す事が苦手とされる日本(企業)文化ですが、島なりの強烈なオリジナリティが求められる所に来ているんじゃないでしょうか。