物価の優等生【卵の価格に影響】
毎日の食卓で卵の登場率が高い家庭も多いのではないかと思います。
当家でも鶏肉と卵には、相当にお世話になってる方だと思いますが、鳥インフルエンザの蔓延が心配です。
鶏卵価格への影響は少ないが
先日大規模に起こった鳥インフルエンザの感染では、116万羽が殺処分されたとのことです。
コロナの感染しかり、伝染病が生体に与える影響というのは、ある意味天命みたいなものなんだと再認識させられます。
畜産業ではこの伝染病対策に本当に神経を使っていますが、大気はつながってるし、渡り鳥は来るし、人の往来もあるということで100%の防御は不可能とも言えます。
スーパーなどで売られている卵の価格を見てみると、どうやら価格が跳ね上がっている感じではないのでちょっと不思議でした。
これはくしくもコロナで外食業界からのニーズが減っていることから、供給不足でも価格が上がっていないのだと解説されていました。
なぜ卵は物価の優等生なのか
一つ10円から20円くらいという小売価格のおかげで、良質な蛋白を身近に摂ることができるということで、卵のファンは多いと思います。
おまけに日本では生卵で食べる文化が有り、世界でも相当に珍しい風習です。海外出張や赴任から帰国して最初に食べたいのはTKG、卵かけご飯と言う人もいますね。
確かに海外では生では食べられないとされてますし、価格も私の知る限り5割以上高いイメージでした。
生産の効率化をした結果安いままキープできてるんだと伝え聞いていましたが、どうやらもう少し事情は複雑なようです。
こちらのサイトに興味深い解説がありました。ずっと安く一定だったわけではなくかなりの上下があったようです。円高によるところや、エサ代の市場価格変動がもろに影響しています。
純日本のものかと思ってたんですが
卵料理というとどうも目玉焼きに醤油とかだし巻き卵とかをイメージしてしまうのですが、どうも日本で流通している卵の大部分は、海外の事情により成り立っているということですね。
食料自給率が低い日本のことですから特に驚きも無いんですが、世界中で大人気の鶏肉と卵の流通に関わるところは、今後も気になるところです。
物価換算すると、戦後すぐの頃には卵は高級品だったこと、そしてその後安くなった理由の大きいところは輸入の自由化だということです。
国内の自助努力も相当に有るとは思いますが、現在でもひな鳥(というか、ヒヨコ)は、大半が輸入であり、餌となる穀物なども多くを輸入に頼っているわけです。
とはいえ、飼育から加工・流通までの日本式合理化が、高品質低価格に寄与しているところは、日々の食生活を通して大きいと実感しています。
以前ベトナムに行った時に、卵で印象的な出来事が有りました。
町中で大量に売られている卵の2倍3倍の値段であっても、日本で売られているように生で食べられるグレードのものが売られているのです。
産み落とされた後だけでなく、飼料や飼育環境、パッケージや流通・小売にいたるまで、いわゆる日本クオリティがキープできるしくみの構築が必要だったようですが、美味しく安全な卵を求める購買層は確実に存在するんだなと驚きました。
日本では人口が減少していくという局面ではありますが、世界でみた場合は食料需給が逼迫していくると思われます。要は食料確保は難しくなっていく傾向にあります。
世界の人口はまだまだ増え続けることや、気候変動がこのところ極端になってきたことなどなど、影響要素が多い状態です。
毎回スーパーに行くと、よくまぁここまで毎日、食べ物で棚をあふれさせることができるなと感心しています。
前に消費行動の事を書いたりしましたが、生産者から流通まで一貫して食を支えてくれている関係者に感謝をしたいところです。
要はこれをどうやって続けていくことができるのか、インフルエンザなどの感染症の話をきっかけに、皆で考えていくいい機会にもなったんじゃないかと思っています。