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人事の素人が意見してみる【目標管理のやり方と労働生産性】

働き方 社会

日本の労働生産性は、世界の先進国に比べて極めて低いと揶揄されたりしています。

ちょっと調べてみても、まぁ確かに思ってたよりは低いですね。どうしていきますか。

 

費やしている労力と時間

今日、何年も携わってるのに毎年疑問に思うことについて、ついにもう疑問を通り越してしまった出来事がありました。

私の勤めている会社では、ご多分にもれず社員全員に対して人事管理を行っています。

それは経営者が雇用している社員に、経営意図通りに働いて貢献してもらいたいからであって、時代や業種、場所やタイミングなどで全く状況が変わってきます。

さらに人が相手ですから、コンピュータのようにプログラムしたらそのとおり動くということはありませんので、いろんな手法で社員たちを管理し続ける必要があります。

特に昇進や給与に関係する部分については、時代とともにだんだんと制度が変更されてきています。その変わらぬ目的の一つとして、経営原資(つまり、お金)を、どうやって階級付けした社員たちに分配するかを、戦略的に制度化しなければなりません。

どうやってやる気を起こさせ、長く居させて、組織への貢献度を高くしていく社員を昇進させていくかが、経営と直結した人事部のミッションであると、素人の私は解説したいのです。

そのため雇用された正社員は、自分のミッションに対してどれだけ会社に貢献するかの目標を定義したり、自分の能力を上げていってどれだけリーダーシップを発揮できるようになれるのかを、年に一度紙に書かなければならないルールとなっていて、数十年続いています。

 

不要な作業と会社の役割

この、決められた用紙に書き込んでいくことは、人事制度上もちろん全社員に対してルール化されているのですが、正直最悪のコスパなんです。

紙に自分の意思や目標をまとめて体裁よく書き上げることによって、上司とのコミュニケーションを円滑にするためのツールとして使うこの様式ですが、いまは当然のようにエクセルのデータで共有されます。

紙に書くようにエクセルのデータに書き込んでいけばいいじゃないかと言えばそれまでです。しかし、その内容を作成することにどれだけの事務工数がかかるのか、経営者は考えているんでしょうかね。

行間・フォントサイズの調整とか、全角半角の表記とか、1ミリも有益とは言えない作業のために、全社員の時間を奪う行為を就業中に行わせるなどということが、長年正当化されているわけです。

学生や新入社員に対しては、書くこと作ることの作業を通して自分のレベルを上げる癖をつけるチャンスの提供にもなるでしょうけど、それ以降はホント無駄に感じます。

体裁でなく内容、書く内容でなくやれる人物の能力の方が何倍も大切だし、それを各人が伸ばしていくことができるような環境を作るのが会社の役目だと思います。

こんなシートデータを提出させるくらいなら、経営者や、その代理としての上司がミッションを定義して挙手制で追加サラリー分が決まるような値札制にしたほうがいいんじゃないかとも思えます。

また、頑張って行間整えるのに徹夜した社員の成果が上司や人事部に伝わるかと言うと、たいして読まれません。そこで頑張って仕上げた作業は徒労で、無駄です。

また百歩譲ってこの制度が必要とされるとして、書かれた内容を読んで判定するのは、今後はAIですよね。それすら今のように人力で読んで判断しているような会社なら、求める人材が集まり続けるとは思えません。

そう考えると、やっぱり終身雇用=長期メンバーシップ型雇用の時代は、もう日本の社会や個人の要請にそぐわなくなったんだと思います。

 

ジョブ型雇用になったら不要

社員に、こんな無駄で効果の無いことをさせるなと思わせないためには、雇用の段階からジョブ型にするのが良いと思います。

既に経営が定義するミッションが達成できればサラリーがでるという方式です。そのミッションが変わらない限り待遇は変わりません。

経営にはますますスピードが要求されるようになりますので、ある時点で必要とされない職種は突如無くなり、新しく必要とされる部署やミッションがタイムリーに生まれることになります。要らない人をどの部署に異動させようかなどという、誰も嬉しくない徒労もなくなります。

会社は働いてる各社員に対して働く場を提供するけど、おのおの切磋琢磨して自分に合う職種を見つけ、値札の高いものを目指して次のステップに自分の力で進んでね、いやなら部署はあと3ヶ月とかで無くなりますよ、という具合です。

日本文化に寄り添うとしたらちょっと世知辛いように感じますが、これからの会社にも社員という個人にも、社会にもマッチしているやり方なんじゃないかと思います。

・・・

労働生産性という指標があります。どれだけ働いた分に対して付加価値(お金)を生んだかの指標ですが、世界銀行が出した興味深いデータに行き着きました。

2019年のデータが掲載されていますが、日本の成績は結構低いです。

日本の2019年の労働生産性は167カ国中36位で78,829ドル/人ですね。給料じゃないです。生んだ価値であって、会社に経費が引かれたりしていますので、仕組みの上では個人はそこまで生産した価値を受け取れないのです。

ざっくり言うと、日本で働いてる人全員が生んだお金を人数で割ると、欧米アジア中東各国に抜かれまくって38位というわけですよ。世界3位の経済大国のハズなのに、ただ人数多いだけで、働いてもお金にならない空回り国家になっちゃってる、ってのは言いすぎでしょうか。

ちなみに上記67ページにかかれているのは、日本が全然労働生産性伸びてないということです。他国は伸び、日本は停滞。これヤバいですよね。

日本で働くひとがワルイのではなく、システムがもう古くなってしまっているんでしょう。無駄とかヌメリや忖度みたいのは早く退治しなければ。上記の変な人事のシートとかもね。

大量にモノ作っても売れない世の中になっていくと思います。仕事もAIが取って代わるようになると、働く必要がそもそも無くなってしまうかもしれません。

今のうちに、短時間働いて高額の付加価値をつけられるような仕事を創れるよう、国ぐるみで変わるべき時なんじゃないかと思います。