【ひたひたと迫るもの】年功で序列らない
最近どうもオフィスに出勤することが多いんですが、パチパチとPCに向かって作業してたら以前に共に働いたある社員がたずねてきました。
久々に嬉しい知らせでした。
出世とか昇進とか
サラリーマンというのは和製英語の典型ですが、もともとサラリーというのは固定給の意味合いだそうです。よく言う、いい学校に行っていい会社に入れば立派な社会人として一生安泰だという表現もされてたりします。
ただ残念ながら、安泰ではなくなりました。というか、そもそも安定とかって、誰がどう決めるのかよくわかりませんけどね。固定給だと安定?
この日本型のリーマンの世界では、歴史の長い会社ではたいていメンバーシップ型雇用で新卒入社とかで社員になるパターンの社員を、長い目で育てていきながら、必要とされる役割の人材を充てて行くという方式です。
新卒だとまず使い物にならないので数年間じっくりと時間をかけながら、人格も能力も育てていくわけで、給料もらいながら研修しているようなものです。そして皆、最初は激安のサラリーをもらいながら、定期昇給と昇進によって年収を上げていくレースに参加するといった具合でしょうか。
私のところにやってきたその社員からの報告は、マネージャー昇格試験に合格したとのことでした。私にとってはめったに無い朗報となりました。
方針転換したらしい
個々数年はこのカテゴリーの社内昇格試験の合格率は、明らかに低くなっているのです。
以前はほとんどの社員が4月の定時入社で、年齢と経験を積めばほぼ一様に昇進の道を歩むという具合でした。最近では、中途入社の社員の合格率があからさまに上がっています。
求められている人物像としては、今までもてはやされていた人格者やジェネラリストではよほど出ないと不要となり、経営も含めたスペシャリストである必要性が格段に上がったと思います。
自身の確固たるスペシャリティがまずあって、それに加えて地頭と人間性の部分が一定レベル以上の人物をふるい分けているようです。
つまり、会社で従順に働き続けることができて、もう会社が育てる必要が無いと判断される社員のみが合格させるようになったのかと推察しています。まぁ、自分でちゃんと勉強をして技術や知見を伸ばし、アウトプットできるようになっている社員ということですね。
そうでもしないと、メンバーシップ(=社員であること)に対して、パフォーマンスの有無に関係なくコストがかかり続ける社員を雇用し続けることになります。高度成長期には問題とならなかったらしいんですが。
日本の企業での働き方はどうなるか
話を聞くと、このシステムはどうも日本特有のもので、出世することが前提となっていると言えます。欧米型では役割に値札が付いていて、働いている間ずっとその職について給与も変動しないという人が大多数です。
今回のこの合格劇を通して、基本システムは大きく変えないながらも、実質ジョブ型雇用に近づけて行っているんだと感じます。
超絶優秀な人は独立起業、その次はスペシャリストとして企業に入社して優秀組として昇進し経営者への道へ、その他大勢は兵隊への道へという、実質的、なし崩し的に欧米型へシフトしていくのかもしれませんね。
よく報道されているような日本型雇用と欧米型雇用の違いについては、誤解を解いてくれる記事に行き着きました。以前は可能だったいろんな仕組みが、直近でガラガラと変革を迫られている感じがしています。
日本型雇用を誰が殺したのかという記事にも行き着きました。2008年当時に10年先を予想しているこの記事の、10年後の検証も書かれていてすごいなと思いますが、ともかく最近の企業で昔のシステムのままで疲弊していることがデータになっているんだと思います。
人は企業をなす最重要な資源であることは今後も変わらないと思いますが、これだけ世間の情報が透明に高速共有できる時代になると、社員のモチベーションの維持だけでも大変になるんじゃないでしょうか。