熱中症がこわい
このところの猛暑で、熱中症による死者が多いと報道されています。
今日2020年8月21日時点で既に、東京23区で熱中症で亡くなった人が148人となり去年の8月の数値を超えたとのことです。
命の危険と隣合わせの熱中症について、予防や対策などを調べてみました。
年ごとに上がる気温と熱中症
熱中症は体温の上昇によって引き起こされます。夏季の気温の上昇だけが原因なわけではなく、火を扱う職場やキッチン、風通しの悪い温湿度の高い所などで、意外と簡単に引き起こされてしまいます。
それでももちろん近年の温暖化によって、夏季の気温上昇が極端になることも多くなり、特に2010年以降は東京都で軒並み年間1500人程度が、熱中症で緊急搬送されています。
環境省熱中症予防情報サイトの資料を見ていくと、傾向として高齢者が熱中症になることが多いようです。
熱中症の状態では、体の熱が外部に放出されていかない状態になっています。本来37℃以下で正常な状態で機能する脳を始めとする臓器が、高温になっていくことによりガラガラと連鎖して機能不全になっていき、死の危険域に達してしまうことが多いということです。
熱中症が増えてきている理由
熱中症で搬送される人の特徴の一つとして、自覚症状が出た時には症状が進んでしまっていることです。
よく水分と塩分をきちんと摂ってから外出や運動をしましょうとアナウンスされていますが、夜間に搬送される人がじつに4割程度を占めるとのことです。
寝ている間には起きて水分を飲まない限り、体から汗などで水分が出ていく一方なわけですが、クーラーをかけると体調を壊すという人も多く、弱めにしたり消したりすることにより、結果室温上昇から脱水、そして熱中症と進んだ時には意識がもうろうで手遅れなどというケースが多いとのことです。
老齢・子供以外のフツーの大人でも、飲酒後などは条件が重なることも多そうなので、ぜひ気をつけたいところですね。
そしてもし身近な人が熱中症の症状を訴えた場合は、水分塩分の補給に加え、体温を下げることが必要です。自分で飲むことができたり、体表面に水分と風を与えて下げたりできる状態なら良いですが、意識がおかしいまたは無意識などの症状が見られる場合はなによりも急いで119番で救急車を呼ぶべきでしょう。
熱中症対策ではWBGTを知ろう
熱中症予防を目的とした指標があります。半世紀以上前の1954年にアメリカで提案されたWBGT(Wet Bulb Globe Temperature=湿球黒球温度)です。
これは温度=℃で表記されますが、通常の気温とは異なり、湿度、輻射熱、気温の3要素を次の式で求めるとのことです。
覚えにくいので日本では「暑さ指数」と言っています。指数というと%とか倍とかに思えますが、単位は℃です。
屋外の測定値から
WBGT(℃) =0.7✕湿球温度 + 0.2✕黒球温度 + 0.1✕乾球温度屋内の測定値から
WBGT(℃) =0.7✕湿球温度 + 0.3✕黒球温度
(単位=℃)
湿度が大きく反映されているのは、高温になった体温を逃がすのに、汗の蒸発による気化熱が有効だからですね。
なぜこの数値が提案されたかと言うと、熱中症の原因である人体への熱の蓄積度合いが、この温度指標から推定できるからです。
目安としては、外出や運動をするに際し、WBGT温度が28℃以上の場合厳重警戒、31度以上の場合は危険とされています。
ちなみに本日2020年8月21日AM9時からPM4時までの東京では、厳重警戒を通り越して暑さ指数は「危険!」 でした。今22時過ぎですが、「熱中症警戒アラート」が東京都に夜なのに発令されています。コロナとは関係ないこの温度も警戒しなければならないですね。
あまり報道に上がってこないので馴染みがありませんが、下記の環境省の専用サイトに掲載されている情報、特に東京の情報は日頃からチェックしてみてはいかがでしょうか。
環境省熱中症予防情報
https://www.wbgt.env.go.jp/
この指標がより社会に浸透・活用されれば、コロナよりよほど身近で、死にもつながる可能性が恐ろしい熱中症の発生を抑えられるようになると思います。