やるなぁJR東日本【オフピーク通勤ポイント】
JR東日本がこの春から提供するオフピーク利用に付与するポイントサービスは、なかなか期待できそうです。
定期券で通勤する人に加えて、Suicaの人にもお得になります。
働き方と顧客に向けた提案
2021年1月27日に、JR東日本から新サービスの詳細についてリリースされました。昨年2020年11月にリリースされた内容の詳細版になります。
多様化する通勤スタイルに合わせた JRE POINT の新サービスの詳細について
このリリースが正式なものですが、一般利用者向けとしてはこちらの方がわかりやすいでしょう。
サービス内容の詳細は上の資料をご覧いただくとして、駅にそれぞれ決められているピーク時間帯を外せば、JREポイントが溜まっていくとうい仕組みです。
これはかなり大量の人が利用しようと思えるような仕組みなんじゃないかと思います。というのも、コロナ前なら全然出勤時間の自由が効かなかった社員が、在宅や通勤をフレキシブルに組み合わせることができるようになった人が増えたと思われるからです。
付与ポイントはピーク前の「早起き時間帯」では15ポイント、ピーク後の「ゆったり時間帯」では20ポイントも一日に付与されるので、20日今までの遅刻時間帯で通勤すれば最大400ポイントも個人にもらえてしまうということになります。
適用条件は、ぱっと見では複雑怪奇ですが、まぁJRで東京都心への通勤をしている人はほとんど対象になるでしょう。例外処理は人力では無理なのでデジタル以外では考えられません。人が改札口できっぷにハサミを入れていた時代には無理だったわけです。
これを大きいと見るかは人によると思いますが、Suicaと自動改札いうデータ取りの道具と、それを支えるITによるビッグデータ処理、さらにはサブスク・メンバーシップの組み合わせという、これからのビジネスの王道を行くものだと感じます。
スマホやPCがやはりデジタルサービスへの入り口
たまたま私もJREポイントのアプリを自分のスマホに入れ、使っているSuica定期券がポイントの対象になるように登録をしています。
スマホを持つこと自体の敷居は既に下がったと思いますが、その先のアプリのダウンロードと、Suicaなどのサービスとの紐付け登録は、慣れない人には結構な面倒くささがあります。
その「難関」をかいくぐることができない人が、高齢者などでまだまだ多いと想像しますが、この手のいいとこ突いたサービスが出るたびに登録者は増えていくでしょうね。
JR東日本が実現したいオフピーク利用によるオペレーションの効率化と、個人の継続メンバーシップによるお得感が合わさった感じのサービスでしょうね。
FeliCaの機能はSuicaをはじめ多くの決済機能や証明機能に使われる、デジタル社会とのインターフェイスです。それにスマホというDXへの関門が個人レベルに普及し組み合わされたことによる、社会の変貌がすごいレベルに達しましたね。
まだまだビッグデータ収集と、そこからの新サービスへの拡張が楽しみです。
JRの経営と会社の経営
オフピーク関連の話を書いたのは昨年の5月だったんですね。まさか今こんな状況が続いているとは当時想像していませんでした。
でももう、在宅勤務やDXによるニューノーマルの作り方の方向性は見えてきました。ただ、日本の企業がそのとおりに次世代の働き方や雇用に素早くシフトできるかと言えば、おそらく他国に比べて遅いでしょう。忖度文化、いわゆる昭和のオヤジ文化を背負っている人が経営している場合が大多数ですから。
ただ、生き残っていく会社とか業界は、DXを受け入れ、前例にとらわれずに素早く対応できた者だけ残ることでしょう。
その最たるアプリケーションは、働き方や、時間の使い方の全社員に関わる部分です。朝のいわゆるピーク時間帯に電車で通勤を強要するような会社や職場には、人材は集まらないでしょう。
JR東日本はそれも見越して、このサービスを短期間に企画できたのではないかと思います。働き方の多様化に対応してという表現となっていますが、要はコロナで大きく人の流れが変わってしまったことに対する経営の危機感を正面から捉えたということです。
どんな形にせよ、人が毎朝集中した時間に電車で通勤することが当たり前のように繰り返されていたことで、どれだけの社会損失になっていたかは認識済みです。
人々の生きる価値にも大きく影響していた満員電車での通勤という弊害に対し、こういう形のサービスがさらに後押しすることにより新しい社会を創っていくことになったんだなぁと、ある意味感慨深いです。
誰が考えたんでしょう、これこそニューノーマルの優良な第一歩と言って良いんじゃないでしょうか。早速利用させてもらいます。