テレワークで分岐点か【日本のリーマン文化】
昨晩は、久々の食事会。4名でかつ20時に切り上げという、インスタントな会でした。
オフラインの価値を改めて噛みしめるとともに、いま文化の分岐点に立ってるんだなぁと再認識しています。
サラリーマン文化というスタイル
リーマンの生き方についてちょっと書いたりしましたが、国外に出張したときや住んだときに感じる日本の特殊性のひとつとしてのサラリーマン文化というものがあります。
この手の文化はよく昭和の文化だと言われますが、男性中心でまわっているオヤジ文化の話だったり、気合と根性とコネで出世をしていく話とかのイメージで片付けられてしまったりしています。
特に一番不思議がられたのが、毎晩のように繰り広げられる飲みニケーション文化です。
街中に酔っ払いがふらついていたり粗相をしていても、酔っているからと言って許される(というか慣れている)文化がまだまだ日本には根強い感じですかね。以前に比べると、町中で泥酔している人を見かける機会も減ってきた感じですけど。
缶ビールを屋外で飲んだだけで逮捕される国も多いと聞きますが、実は日本はアルコール天国と言っていいでしょう。経験上は、白人系の場所では、禁止はされてない場合でも、飲酒に対する視線は厳しいものがあります。
夕方になると今日は誰が暇そうにしているのかを、社内巡回しながらチェックするおエライサンの姿を昔はよく見ました。
その後夕刻の微妙な時間帯の電話がかかってきてそのまま勢いで呑みに行くとか、それも目立つようになるとメールが飛び交ったりして、とにかく呑みに行きたい人が集まる文化があるんですね。
で、そうこうしているうちに世の中コロナに。そもそもおおっぴらに集っての飲み会が禁止となったので、夜な夜な飲んだくれ組は、会社内ではここ半年以上の間、絶滅してしまっています。
程度にもよりますが、アルコール依存症の社員は確率から考えたら必ず存在していると思われますので、365日飲まなければおさまらない人については、まぁ自宅で静かに飲む人も増えたようです。
同じ分量でなく、同じ価格だけ飲んでしまう人も居るようで、単純に酒量が2,3倍になってしまっている場合もあるので要注意です。
一方社員満足度は上がったとの統計も
昭和のオジサン文化が炸裂できずに寂しい思いをしている人がいる一方、昨日幕張で聴いたセミナーの内容によると、実は社員全員を対象とした職場満足度アンケート結果では、満足度はアップしているんだそうです。
色んなパターンが想定できますが、大まかに言って嫌な誘いに付き合わなくて良くなったからだそうです。就業時間中は、リモートワークにより監視されている感が薄まり、結果重視≒ジョブ型雇用に近づいています。
一方業務を離れた時間帯に、良かれと思って経営者や上司が部下を就業時間後に誘って呑みに連れて行くことは、実は受ける身としては迷惑なんだということがデータに現れてしまいました。高度成長期ならともかく、最近は会社に骨を埋めようとして働いている社員は激減していますからね。
就業時間に、自分にとって知識ノウハウが身につくかどうかで仕事を選ぶようになり、出世やそのための上司の機嫌取りを目的としない文化が主流になったと感じます。
当然ノミニケーションに費やす時間は、各個人の貴重なプライベート時間として人生の予定に組み込まれてしまっているので、飲み会に誘っても来るはずがありません。
役職が上だったり、人生の先輩だったりする人が、後輩に伝えるべき場面は飲み会ではなくなったんだと認識する必要があります。
わかった上でのオフラインの価値
では、今後時間外の飲み会が絶滅して、昼間の部の事務的な関係で組織がまとまり、活性化していくかどうかを考えた場合、さすがにオンラインだけでのコミュニケーションでは限界があると思います。みな違った個性を持った人間なので、心のすり合わせは必要ですから。
いま仕掛けていくべきは、会社側または上司側により、オフラインの場の提供だと思います。オンライン疲れしている人の心のスキマを埋めるために必要ですから。仕方なく会社で働いている人も含め、人生皆楽しくやってもらうほうが、結局は社会全員のためになります。
そのためにもまずは、昭和のオヤジからデジタルやオンラインの良し悪しを、実際に手を染めながら十分理解してから機会提供の手を打つことが必要かと思います。これからの会社の存続や、ひいては社会の充実を支えていくのは20,30代の若手ですから。
業界的にITやインターネットに根付いた事業の場合、はじめから若年層が活躍できる文化が育っていますが、戦後の遺産として問題とされている昭和のリーマン文化の悪い部分は改め、いい部分はオフラインの価値の解説に活かしていくべき時なんだなと思っています。
これからの日本の会社組織では、人口減少により人手不足が加速していきます。業種によってその差もあると思いますが、特に時代が求めるIT系の優秀な人材は取り合いになります。最終的には志を同じくして、かつ心が通った人だけが残ってくれるようになると思います。