オンライン会議の誤解10選
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半年前くらいは、オンライン会議と言っても一部の特殊な人がやるもんだという認識でした。
一回ぐらいはFaceTimeやLineでテレビ会議をやったことは有るという人は私の職場でも多かったのですが、いざ必要に迫られるとどこから取り掛かったら良いのかが全くわからないという人が続出してましたね。
緊急事態宣言のちょっと前あたりから少しずつ「実演付き口伝え運用」で3ヶ月くらいになりますか、職場でもようやく普通に使える社員が増えてきました。
でも、この手の新しい文房具の使い方はなかなか急に日常に取り入れられることも難しいですね。
まさに私の働く現場で遭遇した教訓は、慣れないことからの誤解がほとんどだと感じます
というわけで、この際ちょっとまとめてみました。
誤解1:PCとルーターが無いと会議に参加できない
世間で一躍有名になったサービス、Zoomですが、現在のところ総合的に一番利用しやすいと感じます。
ただ、これではなくHangout Meet(最近急にGoogle Meetに改名しました)を勤め先の情報システム部門は推奨し、その説明資料はまさにPCと家庭のWiFiを利用したマニュアルでした。
そのため、必要な社員にまんべんなく支給されているスマホで会議に参加しようとする社員がほとんど見当たらず、PCを設定するくらいなら、開催している会社事務所に出社したほうがマシなどという行動も初期には結構目立ちました。スマホで普通に参加できるんですけどね。
誤解2:スマホでの参加でもWiFiルーターが必要
社外への持ち出しが許可されているPCを自宅WiFiにつなげて運用する社員が多かった。スマホでも参加することができることがわかると、ちょっとした呼び出しをスマホで読んだ後に、ルーターを立ち上げて接続せよというマニュアルにそのまま従うため手間取る。
ルーターは自宅にWiFiがある場合は不要ということが、仕組みとして説明されていないのが原因。そもそもスマホがメールやチャットを着信できるのは、WiFIまたは4G回線でインターネットにすでに接続されているためということも、理解されていないこと多し。
誤解3:会議用スピーカーが必須
ちょっと慣れた人が、会議室に集まった8名程度のためにPCと、会議用スピーカー、つまりスピーカーとマイクを上手く制御するガジェットをPCとUSB接続して運用しているのを見て、皆一般的なスタイルとなった。
しかし、会議室に1人や2人しか集まらないとわかっている会議でも、この会議用スピーカーの調達に奔走し、先約多く予約できない場合は会議の時間をずらすなどをしてしまう。下手すると翌日以降(笑)。
誤解4:一人でも必ずPCを準備
主催者側が大人数ということが多いが、参加側は1名ということも多い。詳細な資料を映し出してじっくり周知や討議が必要な会議ならともかく、顔見せ挨拶程度のちょっとしたミーティングならスマホで気軽に参加でも良いはず。
なのに、会議室予約+スピーカー予約+PCセットアップを頑張るなどして、時間が結構無駄になったりする。
誤解5:スピーカーモードでしか会議できない
PCでもスマホでも、最初に会議室に入ると音声がスピーカーから再生されるモードになっていることが多いので、このスタイル以外は使えないと思われることが多い。
自分ひとりの参加ならイヤホンを差して音声を聞く運用がベターだし、スマホにいたっては、普通のスマホ電話通話のスタイルで使用可能なことがほとんど知られていない。
誤解6:マイクが必要
会議用スピーカー・マイク(こんな感じのモノ)をUSBで外付けして使うスタイルを見たからか、モバイルPCに接続するUSBマイクや、マイク付きカメラが必須だと思われていることが多い。
デスクトップPCなら別途用意するのが普通ですが、最近のモバイルPCは優秀なカメラとマイクが内蔵されていることが多いので新規に準備することは不要。安いマイクでは、音声が大幅にチープになってかえって聞きにくくなってしまう事もある。
誤解7:動画参加が必須
オンライン会議では必ず自分の姿を動画で映し出して参加しなければならないと思い込まれていることが多い。初対面の挨拶ならまだしも、むしろ動画無し音声のみの参加の方が、ネットの帯域を圧迫しないとか、CPU演算パワーが節約されるなどの理由で、スムーズに会話が進んだりすることも多い。
ルーター等使用時には、パケ(最近ではギガっていうんでしょうか)の減りが大幅に軽減される。
誤解8:背後の騒音レベルが高い所でも大丈夫
ノイズキャンセリング機能が当たり前に装備されているケータイの通話モードに慣れている人は、使う会議システムによっては背後の騒音が会議全体に伝わってしまい大迷惑になることが有る。原因はVOXのレベルを超過した周囲ノイズのことが多いが、PTT方式での参加などの周知もされていない。
- VOX:自分がある一定以上の音量で話したときにだけ会議全体に音声を届ける機能
- PTT方式:通常は自分の音声をミュート(遮断)しておいて、発言する時だけミュートを解除する方式。
誤解9:そもそもインターネットにつながっていないと会話に参加できない
インターネットの接続が遅い場合も有り、音声がとぎれとぎれになって会話に支障が出る場合も有る。
音声会話に特化した歴史の長いシステムである「電話通話」での参加も可能になっていることがほとんど知られていない。実際この方が音声だけとってみれば、音質もよく途切れもなくスムーズな感じです。
誤解10:同じ部屋で、複数デバイス同時ログイン参加できる
これはちょっと慣れてきた頃あるあるなんですが、大きな会議室の端のほうで音声が聞き取れないなどの理由で、同時に同じ会議にログインしてイヤホンを使って参加するワザを使う人がいますが、うまくいきません。
同一の部屋にマイクが2つ以上有ると、イヤホンをしてハウリングが抑えられたとしても、タイムラグ有りまくりで会話が不可能です。自分が発言した音声が0コンマ何秒か後に自分のイヤホンに聞こえると、よほどのプロじゃないと会話継続は無理です。この場合もPTTモードでの運用ならまぁなんとか大丈夫ですが。
慣れてそのうち解決するんじゃないでしょうか
ざっと経験しただけでこんな状況ですから、まだまだ相当な誤解やおもしろハプニングが世にはころがってそうですね。
そんなこんなで私の一番オススメのオンライン会議の参加スタイルは、
「参加者全員別の部屋で」「静かな環境で」「一人1台のPCを使い」「高速インターネット接続環境で」「イヤホンを両耳に装着し」「PC内蔵の高音質マイクで音声を拾い」「挨拶の時だけ動画付き」なセッションです。相当働き方改革のための文化的・物理的整備が進まないと難しいですけど。
電話が発明され世に出た時は直感的に使うことができたため、画期的な割に使い方で苦労する必要はあまりなかったと想像します。
ところが音声と画像を、コンピュータを使ってインターネットを通して双方向でやり取りするというシステムは、まだ直感的に扱えるというレベルにまで降りて来ていないような気がします。
動作する仕組みを細かく説明することも必要かと思いましたが、なんか皆眠そうになります。
ま、アフターコロナの時代、イノベーションが社会に起きやすい今、あと数ヶ月でもしたら皆操作に慣れてくれば、電話のように常識になるのかもしれませんね。
出張という名の徘徊の機会が激減するかもしれないのは、寂しい限りですが。