PALOji*Walker ONCE-IN-A-LIFETIME

またゴミとかリサイクルとか

生活 社会

生活に密着している飲料自販機の横においてあるゴミ箱。あれは実はゴミ箱ではないそうです。

え?と思ってしまいますが、消費行動とセットになっているゴミについては、全世界的に永遠に終わらない議論になっているんじゃないかと思いますが、私は自販機横のボックスは要らないんじゃないかと思う派です。

自販機横の箱はゴミ箱ではない?

trash

全国清涼飲料連合会によると、ジュースなどの自販機横に置かれているゴミ箱チックなものは、リサイクルボックスと呼ぶそうです。

たとえば親が子供に言う時に「あ、飲み終わったらちゃんとリサイクルボックスに入れてね」とは言わず「ゴミ箱に」と言ってしまいますかね。それくらい市民権を得てない名称だとは思います。

このリサイクルボックスは、設置する会社=販売者が自販機を設置する権利を買う時に条件として出される性格のもので、販売に掛かる費用に加え回収にかかる費用もセットになっているという考え方です。

でも考えてみれば、買ったところで缶ジュースなどを一気飲みするのが当たりまえだった昔と変わって、500ml程度の蓋付きペットボトルで買った場合にはその場で一気飲みはあんまりしないでしょう。買った所でゴミを捨てるニーズが無いか、前回買ったボトルをその箱の設置者とは関係なく捨てるということになります。ま、ついでに紙くず・ビニールやビンなどの他のゴミも捨てちゃう人が多いと思います。物理的にまぁまぁ可能ですから。

この辺は日本自動販売協会からガイドライン、つまり絶対ルールではないけど、まぁみんなで守りましょ的な文書が出ています。ここではリサイクルボックスではなく回収ボックスと呼んでますね。

そこでは「使用済み容器の回収ボックスの設置及び管理について」と題して、設置個数や、ボックスの素材・色・形状などが細かく書いてありますが、紙等の一般ごみが入りにくい入り口の形状で設置と書いてあります。

なんかここまで販売者が努力しなきゃならないのはタイヘンだなと、利用者としても思ってしまいますね。

また、回収ボックスの形状に関する研究例があり、→PDF資料リンク 「ゴミ箱」 の 機能性とデザイン効果の分析(東工大)
人間心理が、実際の廃棄に掛かる行動に大きな影響を及ぼしており、数値化されていて興味深いものでした。

ゴミの無い街は人の良心によって

station

少し範囲を広げて、家庭ごみや、公共スペースで出るゴミについて考えてみると、そもそもゴミは捨てたい時にゴミ箱がないとストレスが溜まるものです。

行政側からすると、ごみは資源との位置付けで、きちんと分別し、3Rを意識した購買・消費・廃棄をしてくださいねとのアナウンスをしているように聞こえています。それでも普通に生活していれば各家庭から必ずゴミが出ますので、その処理事業は大規模になり、税金が使われていることになります。

その先が気になるのですが、外出時の公共の場所や、野球や花火などの大規模イベントでのゴミも必ず出ます。全部持ち帰ってもらえればいいんですが、現実には無理ですよね。ゴミをその地で処理しなければならない側から考えると、その地に処理に見合う利益が落ちるのであれば懇切丁寧にゴミ箱を設置し、ふんだんに処理費をかければいいと思いますが、外部の人によりゴミが持ち込まれてそのまま廃棄だけされてしまうと解釈できるケースは丸々損になります。

世界から見ると異様に日本はゴミ箱の設置が少ないと言われているのですが、それなのにゴミひとつ落ちていないと評されています。

これには、自分の街は自分できれいにしようという、しつけにも似た文化が根付いていることが関係しています。また公共の場所であっても見た目を非常に気にすることや、分別やゴミのルールを守る度合いが異様に高いという良い面が結果になっているんだと思います。

イスラエルの職場で勤めていた時は、夕方4時半になるとオフィスの掃除軍団が来社して、社員が「すごく」とっちらかしたゴミを、完璧にまとめてピッカピカにするという職業がある文化にびっくりしましたが、彼らにとっては、しつけで街や職場がキレイになる日本の事情は特別に見えるでしょうね。

ところが日本でも、普段の生活と違う「ルール」のところでゴミを捨てるときに、ローカルルールはわからないからいいやとか、みんながやってるからたぶんこれで良いんだ的な理解をすることも多く、ゴミ箱あふれまくり、分別無視などの状態もよく目にします。

ゴミを散らかされた側が、その地で後々片付けなければならないわけですから気分の良いものでもなく、費用も労力もかかります。

片付けないと散らかったままの風景が良くないので、社会的マイナスとされてしまいますしね。掃除の頻度を上げるとコストばっかりかかるし、バランス難しいところです。

ゴミの分別と回収のあるべき姿は

trash

環境問題と処理コストが大問題になっている現状では、日本全国ほとんどの自治体で「分別」を前提とした回収が進んでいます。
中には気が遠くなるような分別をしなければならない自治体も有り、住民トラブルの原因にもなるほどです。そこまで行かなくても、家庭内での分別作業は私も本当に悩みの種です。

危険物と電池類だけは別で、あと全部いっしょくたでOKというところにも昔住んでいたんですが、時と共に処理場のスペックを落として(つまり税金からの支出を減らして)、各自分別をするように変更となりました。

処理の費用、分別による資源化、生活の不便さ、街の見た目の綺麗さ、人々の意識と道徳レベルなどなど、場所や時間との組み合わせも考えたら、絶対的な答は無いでしょうね。

前に北海道を車で回った時には、コンビニやスーパーで買った食べ物のゴミを捨てる所が全然なくて困りました。地方をまわるとそもそも店が少ないのと、ゴミ箱がほとんど設置されていないためです。慣れてないとなかなか捨てるのが難しかったですね。

人からは排出される液体と固体は、トイレという施設にお世話になるわけですが、ゴミはとたんに一筋縄に行かないという見方ができるかも知れません。

サミットの時の爆発物が怖く、駅のゴミ箱が大幅撤去になったり、コロナが怖く、ローソンでゴミ箱とトイレ利用を中止したりといろいろありますが、結局公共性の面からさすがにトイレは復活となりましたね。

公共場所のゴミ箱については、自販機横も駅プラットフォームもゴミ箱全廃して、その代わりに街中の大型回収車が入れる所に、大型密閉型のゴミ箱を設置するのがいいんじゃないでしょうか。いちいちそれなりの距離を歩いて捨てに行くのは面倒なので、ゴミを意識した買い方になるかと。

で、資源ごみを捨てた場合には顔認証でポイント付与とかも技術的にはすでに可能かと。

トラックで大きいゴミ箱ごと簡単に交換回収する方式を採るのが良いと思います。都会にも公衆トイレが有るように、場所の問題でなく行政の問題として防犯テクと共に設置すれば、結果ゴミも減っていくのではないかと思うんですけど、どうでしょうかね。