Bluetoothでバッテリー管理 – BM200 –
ANCEL BM200 Battery Monitor
クルマやバイクのバッテリー管理で気になってたのが、状態の経時変化です。
特に12V鉛バッテリーの場合、充電せず放置している20℃の時の電圧12.85V程度が100%ということなので、それからどれだけ下がっているかを経時変化のグラフで見たい!温度もみたい!めんどくさいのでスマホでみたい!
と思ってたら、そんな輩の願いを叶えてくれる製品
ANCEL BM200 →リンク AliExpressで買って、10日くらいで届けられました。
アマゾンだと、まだだいぶ高いですね。→参考リンク
箱の裏面情報はこんな感じ。
要点としては、
- 鉛バッテリーとLiFePO4バッテリーについて、電圧・温度・S0C(State of Charge = 充電状態)をリアルタイム計測してBluetoothでスマホに送信、グラフ化
- IP67なので、エンジンルーム環境にもインストール可
- クランキング(エンジン始動時のセル回し)や充電状況を自動解析
- 専用アプリで、スマホ1画面に4デバイスまで表示・管理
というところです。
マニュアルは英語です。ぜんぜん読まなくても使えましたね。
いままではバッテリー管理というと、車内コンソールなどに「電圧・電流などを表示する」だけでした。
これだと時系列での管理がなかなか難しかったわけです。
バッテリーあげてしまった
特に鉛バッテリーが劣化する原因の最たるものは過放電。
自動車用鉛バッテリーはその方式からくる宿命として、保存時にフル充電状態にしておくことが望まれます。
でも実際には、自然放電に加え、停車時に常時稼働している電装品が少しずつでは有るものの電気を消費していきます。
さらに気温の低下によりバッテリーの性能としては落ちていく傾向もあります。
ということで特に冬季、数週間とか数ヶ月単位で停めっぱなしにしておくと、バッテリーは相当に弱ってしまいます。
セルモーターで始動するタイプの車の場合、弱ったバッテリーで繰り返し無理やり始動しようとすると、そのまま過放電でバッテリーが再起不能になってしまうことも多いですね。
その辺、バッテリーの継続的な「状態確認」がこの機器でできるわけです。
あー弱ってしまったなーの前に、弱りそうだから早めに補充電しなきゃなーというタイミングがわかるということです。
今回まず接続してみたのはバイク。
なにせセル回りきらずに補充電しないと始動できない状態になっちゃったもんで。
補充電のためにどうするかというと、一番確実なのはバッテリー充電器を接続することですね。
充電完了後に始動してみたら、とりあえずエンジンがかかりました。
っが!このグラフのように、バッテリーが十分な性能を発揮できない程度まで劣化しており、電圧降下が激しいとの評価が下っています。
ミリ秒単位で計測し、グラフが出てくるのには感心します。
ちなみに、よく使ってる軽自動車の始動データはこんな感じ。
新品から約半年の標準タイプの鉛バッテリーです。
クランキングに関しての情報がスマホアプリに書いてありました。
ちょっと日本語が怪しい部分がありますが、言ってる内容はよくわかります。
クランキング時に9.6Vを切ってしまうようじゃダメということですね。
市販のバッテリー充電器も随分と小型で安価になってきましたね。
でもまぁ私が今回つかってるのは昔ながらの必要十分なタイプ。
AC100V電源を使い、接続した12Vバッテリーの状態を見て電圧・電流をごとにコントロールしながら充電してくれます。
そして充電電圧からの診断もしてくれるのですが、
劣化したバッテリーは、補充電しようと充電器をつけると、この結果のように電圧が上がりすぎてしまってダメなようです。
こちらは充電に関してのヘルプ画面。
レギュレーター云々と書いてあるのは車載時のハナシですので、充電器接続の場合は少々挙動は違うでしょうね。
わかりやすいグラフ
このグラフは、一旦8%までに機能低下して始動できなかったバイクのバッテリーに、外部充電器でまる2日間充電した結果です。
充電状態を表すSoCで、一応100%充電にまでは早く達するのですが、充電を中止するとすぐに電圧降下が進み、40%程度にまで下がってしまいました。
このグラフは電圧計測結果を表示したもの。
充電やめても12V以上あるから健康だろうと思いきや、SoC表示では40%かそれ以下となっていたことから、状態をみるのには電圧だけからでは不十分なんだなと思われます。
複数デバイス対応
1アプリ画面には4台までBM200を接続することができます。
今回3つですが、クルマのメイン(鉛)とサブ(LiFePO4)に付けてみました。
一緒にみてもしょうがないと思ってましたが、温度が計測されているのがとっても興味深いと思います。
真冬のエンジンルームって、20℃位までしか上がらないのねぇ。
欲を言えば、温度軸は最高値から自動スケールとかにしてほしかったかなー。
バッテリー雑談
クルマにいろいろと小道具を積むのが好きなわけですが、一番助かってるのが冷蔵庫ですね。
アクセサリーソケットから取るDC12Vで動く冷蔵庫は、3アンペアくらいしか食わないのに、マイナス18度まで冷えるので重宝してます。
ただ駐車中は全電源切れちゃうわけで、夏場などは特に「つけっぱなし」にしたいニーズを叶えるため、サブバッテリーシステムを組んで使ってます。
そこで一番問題となるのが、どんなバッテリーを積んでおくかなのですが、定常的に12V程度の電圧をそれなりの容量分供給できるものとなると、軽自動車用程度の鉛バッテリーが、安くてお得です。
ただこういう用途に鉛バッテリーを使うとなると、
・アクセサリーソケットからの充電だと、十分な充電電圧より低い電圧しか得られず、フル充電できない
・昇圧しつつ適正に充電しようとすると それなりの 充電器 が必要になり、アクセサリーソケットでは容量がたいてい足りないことになる。
・常に50%とかそれ以下の充電状態で使うと、このタイプは容量現象の名の劣化が激しい
・充電していない状態で放電を続け、完全放電してしまうと、その後の復活はまず無理
・そもそも重いので、燃費悪化の一因に
という宿命にあるので、結構運用やメンテに気を使う必要があるのです。
でも最近は12V用リチウム系バッテリーが各種リリースされ、非常に便利になりました。
特にリン酸鉄リチウム(LiFePO4)バッテリーというのは、非常に安全性が高いと言われてるので、私も2つほど愛用しています。
このLiFePO4タイプの利点は、
・軽量!同容量の鉛バッテリーの約3分の1くらいの重量なので、ともかく軽い!
・充電電圧が13.4v 程度であっても、それなりに実用域までに充電が進んでくれるし、鉛と違って その状態で放置しても劣化の要因になりにくい。
・公称電圧は3.2ボルトの1つのセルを4つ直列にして、それをBMS(バッテリーマネジメントシステム)回路で管理する構造により、充放電管理が楽。
・他のリチウム系バッテリーに比べ低い電圧なため、長持ちの傾向。
アマゾンだとなんかまだメッチャ高いイメージなので →リンク
私は例によってAliExpressでコレを買いました。いまんところ完璧に動作してますね(^_^v