【キロじゃだめ?】台風の風速表示
9月に入ってから記録的暑さが続いている中、台風の季節ともなりました。
どうやら気象については年々極端になってきている実感有りますね。気温・雨・風など、発表されるいろんな数値も気になるようになってきました。
前から思っているのですが、風速の単位はメートル毎秒と報道されてますが、なぜキロ毎時ではないのでしょうか?
風速表記って法律で決まっている?
沖縄に暴風をもたらし今朝九州から韓国に抜けた強力な台風9号に続き、今週末にはもしかしたら920hPaにまで育ってしまうかもしれない10号が襲ってくるかもしれないという、厳重注意のタイミングになっています。
そうかと思い、思いつきで韓国の気象庁のページのレーダー画像でも見てみようとこのページに行ったところ気がついたのが、風速がキロ毎時(km/h)で表記されていることなんです。
日本ではm/s、つまりメートル毎秒ですが、私にとっては長年この単位で言われててもなんかピンとこないんですよね。なんと気象庁がこのルールを決めたのは130年以上前の明治19年!
例えば30m(毎秒、が省略されてること多し)の風が吹くので気をつけてくださいと言われるより、それに3.6をかけて、時速108キロの風なのでと言われたほうが、「あー、かなりの強風だわ。気をつけなきゃ!」となりそうで良くないすか?
気象庁の説明でも「『気象庁では、風速の単位は「m/s(メートル毎秒)』を用いており」と書いてあるだけで、法律で「風速はこの単位で表記すること」とは書かれてないようです。
つまり、その情報を得る人が慣れている方が、言われている数字から程度や被害などを想像しやすい数値を使ったほうが良いんじゃないかと思います。問題は、誰のための単位なのかということです。
風速はキロの方がピンとくる理由は?
身の回りの速度の単位で一番身近な単位は、時速何キロという表現だと思うんですが、その理由はやはり乗り物でしょう。
電車は通常時速100kmを超えると速い部類だと感じ、新幹線はその2倍3倍の速度で走るの激速いイメージ。
自動車でも制限時速は全部キロ毎時の単位が省略されて表示されているので、何キロ(メートル毎時が省略されてる)で走れば何分ぐらいで着くとか、何キロでぶつかったらどのくらいの被害になるとか、はたまた何キロオーバーでつかまった(!)とかという表現は、けっこう身近に感じます。速度のイメージが体感できるというんですかね。
つまり、どれだけ身近で慣れてるかで、言われる単位がイメージできるのかが決まるので、風の単位でメートル毎秒といわれてもピンと来ない、と。
結構社会の人からはこの件言われるんでしょうかね?こんな説明の表もありました。
おおよその時速というのが苦し紛れに併記されているのがカワイイと思えます。すんません。
雨にしろ、風にしろ、時としては人命にも関わる数値を社会の民に浸透させるのはタイヘンですね。
世界での風速の単位
韓国では既にキロ毎時の風速表示になっていると書きましたが、アメリカという大国なのに単位はかたくなにメートル法を使わない国もあります。
これもおそらく慣れてないからなんだと思います。
こちとら日本人なのでアメリカに初めて出張した時には、彼らのシステムにこちらがすごーーく慣れてなかったため、ガソリンのガロンも、標識のマイル(毎時)も、肉のポンドも、液体のfl ozも、天気予報でも温度の華氏(゜F)と風速のノット(kt)には全く慣れなかったですね。はじめてハイウェイに出た時に、結構アクセル踏んで流れにも乗っているのにみんな安全速度だなー、なんてマジに思ったくらい無知でした。
このアメリカですら、台風の風速はマイル毎時、つまり身近なクルマの速度で表記しています。
苦肉の策だと思えるのは、米国でもカナダとの国境に面している州などではメートル法との併記もしてあるそうです。それでもやっぱり人々の慣れとか馴染みのパワーの方が強いんだなと思えます。
そう言えば日本で気圧の単位hPa=ヘクトパスカルというのも、昔はミリバールと言われてた単位を変えたんでしたね。これは圧力の単位をバールからパスカルに言い換えたけど、数値が同じなので超抵抗無しだったですね。
風速のメートル毎秒の表記でも、建築など工学系ではそちらの方が慣れてる人も多いとのこと。気象庁とて学術系なので、どうしてもそちらを使いたいのかもしれませんが、100年以上にわたり大衆が慣れてないということもあるし、ここはひとつ社会の民の多数意見に、なし崩し的に合わせてもらうというのはどうでしょうかねぇ。