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【コワーキングスペース】効率化と創造性

働き方 生活

会社の本社オフィスを淡路島に移転すると発表したパソナグループの話は、さながら遷都をイメージしましたが、これは経済界の話ですからちょっと色合いが違いますかね。

ともあれリモートでの企業活動が技術的に可能となり、むしろ効率的でリスク分散にもなるということであれば、力をつけた会社がいろんな地方に分散していくのは、アリかも知れませんね。

こういった新しい分散リモート化する企業で働くのは、今までの一般的サラリーマンとはだいぶ違うスタイルになるんだろうなと思われますが、何が求められていくんでしょうか。

 

効率的な通信手段って?

PCや携帯電話が事業会社のオフィスで使われてなかった時代には、連絡手段は固定電話とFAXが主流、というかそれくらいしかタイムリーに連絡を取り合える手段はありませんでした。

もっと昔にはテレックスや電報などのリアルタイムビジネス通信がありましたが、そこまで急がなくていいものは、紙の書類を郵送するというオーソドックスな方法があり、なんと現在でも生き残っています。飛脚という郵便のようなシステムも江戸時代には有ったようですが、人が走って届けてくれたなんて、ホントご苦労さまでした。

つまりビジネスの世界では、より効率的に利益を得るため、他社に負けないためなどの理由で、文書を郵送しているようでは間に合わない「急ぎ」の情報は、リアルタイムな電話とFAXだったんです。

それが技術交代すると、紙書類やそれに確認や権威を表現するためのハンコが押されたような社内外文書を取り扱うこと自体が、時代遅れというだけでなく、ムダが多い手段ということで衰退してきていますね。書類の流れに沿って物理的に人の存在が必要なんですから。

それに変わる手段でまず思い浮かぶのがメールですが、ようやく最近e−メールとか電子メールと言わなくなりました。ただしメールでさえ、社内の連絡やディスカッションに多用すると、もう他社のビジネススピードについていけないほど効率の上がらない手段と認識され始めています。

ディスカッションはチャット機能で、情報の共有はクラウド共有で、そして書類の流れはワークフローソリューションで解決するなどという企業は、コロナの在宅勤務のニーズを受け爆増している模様です。既にこれらの方式で流せていた企業は、今は出し抜けて業績も上がっているんじゃないでしょうか。

コワーキングシステムで効率化を進める

こうして、通勤時間をも事業の効率化の時間に使えるようにする動きが加速すると、システム化をしてそれに人がライフワークも含めて合わせるという利点も生じます。反対に、オフラインで面会することから得られる偶発性やフィーリング、そして効率性も期待されるところです。
さらに実際に慣れない在宅勤務を続けていると、家庭や通信環境などの細かな問題が積み重なり、心理的に効率が上がらないという人も居ることでしょう。

こんなニーズを汲んででしょうか、コワーキングスペースが増えてきたようですね。もともと地代家賃が高い関東地方では、アクセスの問題やオフィス維持に掛かる費用が事業採算上大きな割合を占めることから、コスト削減の目的だけでも相当な効果が期待できます。

東京ど真ん中の本社オフィスを大幅縮小して、近隣県から毎朝人類大移動の通勤をしていた社員に対して、地理的に分散化されたコワーキングスペースの利用権を与えるなんて言う運用が進むと思います。

このサービスはどうやらオフィスのプロがコーディネートしているケースが多いので、通信・電源・空調などの設備や、オフィスに関連する他の必要業務の受託などが可能なメニューが十分なクオリティで準備されていて、今まで自社の総務部門がコストをかけて管理していた部分はノータッチでOKですから、ここでも効率化となります。

心や創造性の充実をどうするか

remotework

もちろん自宅で作業してても、コワーキングスペースで仕事しててもそれなりに業務は進むと思いますが、社員の心のケアの問題がでてきます。

どうしても自宅で作業をしていると、時間やミッション管理は自分でやる必要がある上に、いくらでも休憩できる環境も有り、いろんな横槍が作業途中ではいってしまい、集中できずに効率が上がらないということがよくあります。

これを解決する目的でよくカフェで仕事や勉強するというパターンを聞くようになって久しいのですが、その延長にコワーキングスペースも有るんでしょうか。今までは同社・同部署のメンバーと席を並べていた所が、他社の他人と一緒に仕事することになるので、自然と集中が高まります。

また、実際に人に会って話さないと心がすさむとか、何気ない会話から生まれる創造性みたいなものは、オフラインで実際に会って話したほうが良いと思います。

そんなことを後押しする効果がコワーキングスペースには有るようで、フリーランスや学生を重点的に迎えるようなところでは特に、直接利害関係の無い人同士が世間話や情報・アイデア交換、さらにコラボも生まれるチャンスがあるようですね。

この観点でみるとコワーキングスペースで仕事するということは、コストで測れない何かが得られるかも知れないという投資になる可能性も秘めているじゃないかと感じるところです。

オンラインが進んで、一周回ってオフラインで次に展開していくって、やっぱり人にとって自然で、おもしろい時代になったもんです。