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新しいオフィスのあり方【ホテル転用】

働き方 社会 経済

ホテルの客室数が足りないと言われたつい3年ほど前には、事務所を宿にしたコンバージョンホテルが重宝すると期待されました。

と思ってたら事情かわって、ホテルからオフィスへの転用も進んでいるとのこと。皆、自在に考えるようになってきてます。

 

都心部という場所って何のため?

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人が集まるところに企業や情報は集まり、地代や家賃が高い都心部エリアのオフィスに高額の費用を払って入居する企業や、訪問客相手の宿泊業でにぎわいます。

長らく通勤しいる身近な所、つまり都心のオフィス街には独特なアナログリアルの雰囲気が有って、わざわざ長時間かけて通勤して集まっても価値がある文化でした。

インターネットなど無い時代には、実際に会って話すことが企業活動での中心であって、視界に入るところで従業員たちの時間管理をすることが、管理者としての仕事でした。しかしこのへんが、今回国民総DX化の波に乗って、急に疑問視されてきたと思います。会議質問題とかもありますし。

もしかしたら真逆になった?価値観がひっくり返り、ラッシュ時に満員電車に社員を乗せるような体制のまま放っておく会社は槍玉に上がってたりしています。

ということで、何か理由も効果もわからないけど在宅勤務率で管理とかされるようになったり、時差出勤やフレックス制を急に取り入れたりすることは序の口で、事務所ごと移転とか縮小とかと、よく聞くようになりました。

実は皆、ネットと高層ビルの都心部に、わざわざ同じ時間に全員結集して仕事する必要性が低いことには気がついてたということでしょう。で、困ってるのは、働いてる人も会社の経営も、満足度上がらないままだったりすることです。

 

宿泊客が少ないのでリノベーション

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土地・建物をどう事業に展開していくかは、不動産業の腕の見せどころですが、都心部からの人口の減少が甚だしいことに対応するように、ホテルから事務所への転換を図る例が紹介されていました。

ビジネスホテルには小部屋がたくさん有るので、それを小規模の企業向けニーズに対応するオフィス仕様に改造する動きもあります。結構魅力的な感じですね。→ニュース記事例 

すでに大きなオフィスに社員を多数抱える企業などで、在宅勤務社員が必然的にほとんどとなった企業も多いことでしょう。こういう事情ならば、今入居しているオフィスを大幅縮小か撤退して、低コストかつネットや仕事環境の整った元ホテルの快適オフィスでこぢんまりと事業継続するという動きもアリかと思います。

ベンチャーや個人企業向けには、以前から増えていたバーチャルオフィスという形態もあります。開業をするのに都心部にオフィスを構えたいものの費用が莫大になることを避けるため、登記上の住所を借り、さらに郵便転送や受付サービスをシェアするというような業態で、会議室や作業スペースが併設されている所も多いようです。→バーチャルオフィスの例

ただ、今後はどうなんでしょうね?都心の住所でなければならない事情も薄まっていき、人と情報の流れがデジタルワールドに移っていくとなれば、企業や経済活動の主戦場は都心部の実在の設備や街ではなく、アバターやARの世界になっちゃったりするんじゃないでしょうかね。もしかして、結構すぐにでも?

 

さらに個人化が進むのでは?

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ハナシが変わるかもですが、日本が気にしなければならないのは少子高齢化だけでなく、より豊かな暮らしのためには一人あたりのGDPを伸ばすことを考える時に来たのではないでしょうか。

wikipediaの記事あたりを見ると、日本の豊かさまんざらでもないぞと思えるんですが、ここ20年位の間4万ドル前後をウロウロしていて伸びてないことが問題ですよね。

物価も対して上がってないんですが、デフレなので企業も儲からない。となれば典型的サラリーマンが給料と福利厚生だけで豊かになっていくというワケもないということが、バレてしまったということでしょう。

ここの所、学校でお金のことを教えないということに気が付き、本や動画で人生設計を真剣に勉強する人は増えたんじゃないかと思います。こういうところで、ネット有りきの世代は転身が早いと思います。ましてやDX関連産業はこれから爆伸びするとも予想されていますから、他の産業の企業は、ますます人が採れなくなっていきます。

コワーキングスペースといっても、さてなんのことやらと中高年は思ってしまいます。自分で稼ぎ、自分の人生を作っていくような世代にとって、カフェでの勉強に始まり、仕事や発想を得る場がコワーキングスペースというリアルな場所に移っていくことは、自然な流れですね。

画一的に管理される場所には、個人の思考が生かされるチャンスは少ないのです。一人ひとりの生きる満足度を上げることが、人口は減っていっても一人あたりの満足度は上げていけることでしょう。

順番としては、まず満足度や能力高い個人が確立し、何人か合流し、コミュニティや企業としてのパフォーマンスが上がっていくという社会経済構造になっていけば、世界ともわたり合える国全体のチカラになっていくことでしょう。

たかが都心の不動産と思ってましたが、ますますオフィスや街の動きをウォッチするのが楽しくなってきました。