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【5Gよりahamo】docomoから激震で楽天は?

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2020年菅政権になってからというもの、日本政府からかなりの熱量で携帯電話各社に値下げ圧力がかかっていますが、先日発表となったドコモからのahamoは激震と言っても良いのではないでしょうか。

DXに向けての入り口は通信から。感じていることをメモしておきたいと思います。

 

アハモは既に計画済みだったか

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ほとんどのケータイユーザーには関係ない話なのかもしれませんが、最近メインブランドとサブブランドという区分けがよく単語として出てきます。

ユーザーから見た場合、メインは高価なフルサービスで手取り足取りのサポートが付いてくる、サブブランドは格安サービスなのでサービスのグレードがそれなりに下がるけど安い、というような認識でした。

さらにそれ以下でもいいから激安が良いという場合は一般で言う格安SIM(MVNO)のプランを選んでおけばしのげる情勢です。

ただ今回のdocomoによるahamoの発表というのは、あくまでもメインブランドですよと言っているのに、現在のドコモ契約をしている人もまんどくさい手続きをしなければならないことなど、中身はどうも今までのサブブランド的な感じがしています。ひょっとして社内MVNOの扱い?

このahamoのサービスは、現在日本国内のモバイル回線で一番カバー率の点で充実していると言われるドコモ回線。カバー率とかバンドとかが気になるので少々資料をググったら、興味深い資料にたどり着きました。

総務省から出ている、2019年11月時点での電波の利用状況調査結果(案)を見ていて興味深いのは、3ページの図表(1-3 移動通信システム用周波数の割当て状況)に記述がある、日本で6社への周波数割り当てです。

新参者の楽天モバイルに割り当てられている周波数帯と帯域は、相当虐げられている感じがします。まぁ言ってみればこういうのが許認可制度の宿命なんでしょうかね。2018年のレポートでは記載が無かったので、大きな進歩ではあるんですけど。

2019年レポート案には楽天モバイルの基地局はまだ2桁台の局数というのが新興キャリアらしさを醸し出してて、なんか応援したくなります。2020年が終わろうとしていますが、今何局くらい設置が完了したんでしょうかね。

利用者にとってはまぁどうでもいい楽屋裏の話題なのですが、各バンドごとにそれぞれ詳細レポートがまとめられているのには驚きました。それほど今後のDXの一角を担う重要な分野が、このモバイル通信≒電波の取り合いと使い方なんだろうなと思います。

 

めんどくさがりな人々ばかりなので

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話をahamoに戻すと、このプランは2021年3月から順次サービス開始と宣言されていますが、もう既にahamoのインフラは出来上がっているようなもんでしょう。

既にある現況のdocomoの基地局が莫大な財産ですから、ちょこっと設定やマネジメントを変えるだけで高品質な接続サービス自体をすぐ提供できると思います。

そしてユーザーにとっての最大の関心事は料金だと思われますが、月額2980円でデータ20GB(ギガバイト)、5分以内の通話が無料という主なサービス内容を見ると、完全に楽天モバイルを牽制するモードで出してきた内容だと感じます。他キャリアを巻き込んで、業界に激震です。

楽天モバイルの場合は、楽天回線の場合だとデータ使用が無制限、通話もRakuten Linkアプリを使うと何時間しゃべっても無料(国内)、SMSも無料という点が上回っています。

でも、この細かい差を見てわざわざ楽天モバイルにドコモや他のキャリアから引っ越す人は、多くないと思います。一番の理由はめんどくさいからですね。

これだけ格安になったり選択肢が増えたり、無料期間がなんと1年だったりするオファーが有っても、なんか面倒なのでいまのままでいいんじゃね?というひとが、私の感覚だとまだ9割ですね。

これが全員もれなくいっせいに現在のdocomoの契約からahamoにしたとすると、ドコモの経営がまるで赤字になり、成り立たない計算になりますが、そんなことは今の日本ユーザーのリテラシーからすると、まぁ起こらないだろうと読まれているんだと思います。

高齢化も進んでますし、窓口でのサポートが絶対条件の人は、ahamoは無理です。ひょっとして今のケータイショップやキャリアのショップでは、時間で課金されるコンサル料取られるようになったりして。それはそれで人の時間と工数使ってのビジネスになるので、まぁいいかも。

また、ahamoはこのタイミングで格安のイメージを市場に植え付けることに成功した感じもありますから、楽天モバイル試してる最中の人も、なんかわけわからんけど安くしたい人も、他のキャリアユーザーからも含めてahamoに新規登録するひとが増えるんだろうと思われます。

このまま他社が何も対策しないわけ無いと思いますので、政府が目論んだ通り低価格化は大きく進むでしょう。そう考えると楽天モバイルの2980円という価格設定には大感謝しなければいけませんね。

 

5Gより今の延長モード

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それに月に20GBも使う人がどれだけ居るのかというと、まだ9割以上の人はそこまで使ってないんじゃないでしょうか。

4Gだと速度やプランを気にしてあまりデータを使いたくない人がまだ大勢いるでしょうからアテになりませんが、いくら使ってもいいよと言っても一月に20GBをスマホだけで使うのは、一般ユーザーにはそうは多くない現状でしょう。

他国に遅れをとったものの、5Gサービス開始!と日本でも大々的に宣伝したものの、これは上の総務省の資料や各社のサービスエリア状況を見てもまだまだつながる場所がものすごく限られてますので、実質的にまだ使えません。5G対応スマホなどもまだ高いしね。

であれば、ここしばらくは5Gがどうのというより、気にせず何ギガ使えるか、2980円より月額がどれだけ安くなるのかというバトルに、皆の興味は向かうのかなと思います。

心配なのは、MVNOやケータイショップの経営への影響もあります。でもDXに関連するすべての企業活動は、始めからデジタルな激動の波にさらされる宿命にありますから、なにごともクイックに変化していく以外に無いんでしょうね。