【コンビニ新企画】スマホで値引情報
人の流れが急激に変わりコンビニの苦戦が続いています。主に都市部店舗での売り上げ低迷がめだっているようです。
従業員不足による経営者の大きな負担も問題になっている中、少々明るめなニュースと感じたのが位置情報と値引きへの取り組みです。
スマホの位置情報が持つ価値
すでに生活や仕事で不可欠となったスマホですが、GPSなどが搭載されているため位置情報が得られます。そのため、場所に関連したいろんなアプリに展開が可能で、今回の報道ではコンビニに関連した機能が提供されるとのことです。
ローソンとauのKDDIが共同で、値引き品情報をスマホに送信するというサービスが開始されます。スーパーなどでは当たり前の値引き販売をコンビニでも行うこととITの合わせ技で、ニューノーマルの消費に食い込んでいこうということでしょう。利用者としてはとてもインパクトが有り、一言でお得な感じがしますね。
スマホは生活の中で基本的に常に持ち歩き、各社しのぎを削る電子決済も一般的になってきました。一回使ったらその便利さで現金が要らなくなりますね。今回のケースではauPAYアプリとPONTAの利用履歴と、位置情報を使って、値引き商品情報を利用者に配信する仕組みです。
AIでその配信を決めるようですが、天気などの情報も加味されるらしく、どんな通知が来るのか試してみたいですね。
自分の位置が知られては困るとデータを出し渋る利用者も多いと思いますが、タイムリーな位置情報を非常に価値が高い財産として提供し、見返りが値引きというわかりやすい形で提供されるのであれば、普及は進むんじゃないでしょうか。
値引き販売とコンビニ
大手コンビニチェーンのビジネスモデルは、店舗の売上の一部をロイヤリティとして本部が得る形です。これは店舗をたくさん出展するほど元締めの会社が儲かるモデルとなっています。そのため近隣に同じチェーンの店舗ができて商圏の奪い合いになったり、値引き販売はできないなどの契約になっているのです。
コンビニの主力商品は、おにぎりやパンなどの消費期限が短い生鮮品が多いことから、普通に考えたら消費期限が迫ってきた商品を値引き販売してくれればいいのにと消費者としては思っていました。期限切れの商品が棚に並んで販売されないよう、廃棄処理になる食品が社会問題にもなるほど大規模な問題です。
この問題解決のために、値引き販売を認め、ITを組み合わせることにより消費者の事を親身に考えた構図を書いたということで、今回の仕組みを歓迎したいと思います。ただ、人が食べる総量は購入者に比例しそれほど変わらないことから、廃棄が減った分売上も減ることが予想されます。社会貢献と企業利益のバランスをどうデザインするかですね。
リアル店舗の向かう道
アフターデジタルで語られている世界は、近い将来OMO、つまりオンラインがオフラインを包み込み、人が価値の高いリアルに生活することがどんどん特別なことになってくると思います。
都市のビジネス街など、在宅勤務が進むだけで大きく人の流れが決まってしまうような場所の商圏は、居住地やイベントが起こる場所へとシフト中です。クルマ社会の郊外店などでは需要喚起に一役買うかも知れませんが、スーパーやドラッグストアなどの競合が多くなります。
コンビニはその名の通り便利な店として業績を拡大してきましたが、人口減少などにより出店数のピークは過ぎました。コンビニ経営者も年々そのビジネスモデルの宿命から疲弊が激しく、これでは高齢化も重なり将来は期待できません。店舗の利益を最優先に考える動きも聞こえてきましたが、一気に進むとは思えず、それより先に市場の変化の方が速いんじゃないかとも思えます。
ラストワンマイル対策のコンビニ店舗からの宅配事業や、今回の値下げ食品販売通知サービス、無人店舗、野菜販売など、いろいろと対策が聞こえてきているので、これからのニューノーマル対応コンビニに期待したいと思います。