2本アームで一人分の仕事【そば調理ロボット】
電車通勤する身にとってはなじみの多い、あの現場にも自動化の波が来ているようです。
世界じゅうで行動パターンが急激に変えられていく中、人々の流れの変化に対応する新しい取り組みが次々と聞こえてくるようになりました。
駅そばロボット導入
そば・うどんは、そもそも日本食として完全定着していることに加え、まぁヘルシーな部類だし手軽で安いということから、日本のファストフードと位置づけられていますね。
これに鉄道移動の文化が掛け合わされると、駅そばになります。これはもう典型的な日本の文化になっていますよね。
基本、立って食べるので立ちそばともよく言いますが、まぁなんとも高度成長期から続く通勤電車につきものの絵です。最近では座って食べられる店も増えてきた感じがありますが、やっぱりササッと短時間で済ませられるところに魅力を感じている人も多いことでしょう。
私の知る限り、外国にはこの文化は無いと言えそうです。おとなり韓国でも箸でうどんを食べる文化も駅近くにうどん屋もありますが、立って一人でそばをすすることは文化的に抵抗感ある人も多いようです。
インバウンド観光客にとっては物珍しいし、そのコスパと旨さは人気とも聞きます。立ち食い寿司も人気ですが、位置付けも値段も全然ちがいますもんね。
ファストフードならではの悩みを解決
ビジネスとしては客単価を上げにくい業種で、利用客が多い駅はいいとして、地方・郊外の駅などでは採算が会わずに閉店する店も多いと聞きます。
さらにコロナでそもそもの人出が少なくなり、経営存続のためには人件費を抑える必要性もでてきました。店舗でのハードワークを支える人の作業の合理化も必要になってきました。
駅という現場で、そばという現物と共に接客する業種ですから、単にDXや自動化を進めるといっても難しいだろうなと思ってましたが、先日リリースが有りましたね。
海浜幕張駅でそば調理ロボットを導入したという、JR東日本スタートアップ株式会社の情報に行き着きました。
「駅そばロボット」海浜幕張駅で本格稼働!
2本アームのそばゆでロボットが、人間一人分のしごとをこなすように設計されているようです。現場作業の負荷が減り、商品提供も早くなることでしょう。
能力としては一時間に150食さばけるということで、なんと24秒に1杯提供できる計算になります。この速度に人間がついていけるかも興味深いところですね。
確か前に東小金井駅で導入されたと聴いたときには1本アームだったんですが、改良版ということですね。
JR東日本100%出資のこの会社の新着情報を見ると、スタートアップと言うだけあって、なかなか興味深い取り組みが載っています。
また、ロボットを担当するのはコネクテッドロボティクス社で、こちらもなんと若くて新しいことに取り組んでいる会社のようですね。
鉄道駅、そしてロボティクス、この掛け合わせは今後も生活シーンのいたるところに取り入れられていくんだと思われます。
ロボット化で気になること
自動化、合理化、ロボット化など、新しい技術の店舗への展開は、もちろん新型コロナ禍以前から研究開発そして導入も進んでいました。
でもここ最近そのスピードが相当早まっていると思います。少なくともいままで導入の検討をして実践していなかった会社でも、背に腹は代えられない事情が後押ししていることでしょう。技術を蓄えてきた各社には、製品の導入・採用チャンスが巡ってきたとも思えます。
ということで気になるのは、人で行ってきた作業での労働市場はなくなっていくことです。自動化による合理化という名のもと、雇用の受け皿は少なくなっていきます。
身近に思い当たる節としては、セルフレジですね。コンビニもスーパーも、レジの合理化で効果が上げられやすいと見て、随分と進みました。DXとマシナリーの組み合わせが進むことによる影響が大きいということは、その昔、駅員のきっぷ切りというものがほとんどなくなったことでも経験済みです。
労働人口が減っていき、物価は上がらず(値上げができず)、一人あたりの所得も伸びていかないままの日本では、ますます合理化が進んでいくことは間違いないでしょう。配膳ロボットの導入も進んできたりしていますし。
自動車の自動運転でも、運転手という職業のパイを少なくしていく方向ですし、さて人としては将来、どんな仕事をしていく世の中になっていくのかと想像させられる、そばロボットのニュースでした。